妊娠中の妊婦さんの悩み大集合

家族で「あなたひとりのからだじゃない」を合言葉に

妊娠22週(6か月)のある夜、主人が「頭が痛い」と言って帰宅しました。学生のころから運動部に所属してして体力には自信のある人だったので、若いころから「風邪くらい、辛いものを食べて、熱い風呂に入れば治る」と豪語しており、その夜も“自己流治療法”を試みていました。しかし翌日、頭痛に加えて咳も出るように・・・。マスクをして仕事に行きましたが、その夜帰宅すると、咳はさらに悪化していました。
その翌日は午前休をとって安静にし、「よくなった気がする」と言って、また仕事に向かおうとしました。そんな主人に私は「せっかくお休みをもらったんだから、念のため病院に行って診てもらってから仕事に行って」と頼んだのですが、自分の体力を過信する主人は言うことを聞いてくれず・・・結局、その夜に帰宅すると、声も出ないくらい状態は悪化していました。

嫌な予感がしたのですが、その日は金曜日。もう診てもらえる病院もないから、週末は様子を見るしかないかと市販の風邪薬を飲んで、早めに休んでもらいました。

すると翌朝、今度は私も喉に違和感を覚えるように・・・しっかりうつされてしまいました。

痰が絡むくらいだったのでその日は何とかのど飴でしのぎましたが、妊娠中の体なので口にするものには神経をとがらせています。さらには体重管理もしなければならないので、のど飴なんて予定外のカロリーが・・・。「ああ、やはりもう少し強く言って、早く病院に行ってもらうべきだった」と後悔しましたが、その後悔は後々、さらに大きくなっていきます。

 

翌日の日曜日、今度は私が声が出ないほど喉が腫れ、咳込むようになってしまいました。息はできないし、食べ物も喉を通らないし、咳込むたびに腹筋に力が入ってしまうし、咳込むから夜も満足に眠れないし、でも日曜日だから病院にも行けないし・・・。咳込むたびに、お腹の中で赤ちゃんも落ち着かない様子で動くような気がして、自分の体なんか気にならないほど、心配になりました。

 

翌日の月曜日、やっと病院(かかりつけの産婦人科)に行くことができ、エコーでお腹の中の赤ちゃんを見せてもらいました。元気に動く姿を確認してほっとし、子宮口はしっかり締まっているし、子宮頸管の長さも十分あるということで、もう一度ほっとしました。

 

そして、妊娠中でも服用できる風邪薬を処方してもらいました。妊娠中は薬なんか飲めない!と思っていたのですが、産婦人科で飲める薬も処方してもらえることを知りました。「赤ちゃんにとってもお母さんの体が健康であることが大事なので、無理なく薬の力も借りていきましょう」と医師に言われ、「そうか、無理するほうが赤ちゃんにとっては負担になるのか」と、改めて気づかされました。病院で処方された薬を飲み始めたら、3日で日常生活に支障がない程度に快復しました。やはり、“自己流”で無理して乗り切ろうとせず、正しく医療の力を借りるほうが治りも早いのだな、と実感しました。

 

さて主人のほうはと言うと、同じく月曜日に病院に行ってもらい、同じく風邪薬を処方してもらいましたが、治りかけだったようで、私よりも快復が早く、申し訳なさそうな顔をして私が咳込む様子を心配しながら見ていました。私は主人に「もうあの頃ほど若くないから“自己流治療法”だけではダメなんだ」ということを肝に銘じてもらうために、ここぞとばかりに「ああ、しんどい」「そっちは先によくなっていいな」と口撃しておきました(笑)。主人は普段からよく私に「ひとりの体じゃないから気をつけて」と言ってくれていたのですが、今回の件をきっかけに、「ひとりの体じゃないのはお互い様だね」と確認しあうことができました。子どもが生まれてからもなおさらです。大人の不注意で子どもにつらい思いをさせないためにも、いい教訓を得ることができました。

 

こんな私たちの経験から、これからインフルエンザも流行する時期に初めての妊娠を迎える妊婦さんへ、2つのメッセージがあります。

 

ひとつは、妊婦の体は、自分が思っている以上に免疫力が低下しています。今回の私も、さほど疲れもたまっておらず、食事はしっかりとれ、睡眠時間も十分にあったのにもかかわらず、ウイルスに負けてしまいました。これまでの体調だったら、きっと大丈夫だったはずなのに・・・私にも油断があったことは反省点です。ですから、十分な予防はするに越したことはないと思いました。

 

もうひとつは、「妊娠中の薬はご法度」は必ずしも当てはまらないということです。市販の薬は注意が必要(むしろ素人は避けたほうがよい)だと思いますが、私の担当医が言ってくれたように、時には薬の力に頼って、する必要のない我慢はせず、リラックスしてマタニティライフを送ることが、お腹の赤ちゃんにとっても快適な時間を過ごせるのだと思いました。きっと便秘で悩む妊婦さんも多いと思いますが、妊娠中に服用できる便秘薬も産婦人科で処方してくれます。「こんなとき、どうしたら・・・」と思ったら、遠慮せずにかかりつけの産婦人科に相談してみるといいと思います。心も体もおだやかに、マタニティライフを楽しみましょう♪

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