妊娠中は、体の変化やつわり、ホルモンバランスの影響などで、いつもより体が冷えやすいと感じたり、足元が冷えたり、腰が冷えたりと、冷えに悩まされる方も多いかもしれませんね。体が冷えると、つらい症状が出やすくなったり、体調が優れなくなったりすることも。
冷え性対策でいろいろなアイテムを使っている女性も多いと思います。しかし、食生活が冷えの原因になっている可能性もあります。
食事の中には、伝統的に「体を冷やす」性質があると言われる食材がありますが、これらの食材も、妊娠中に必要な大切な栄養素を含んでいます。必要以上に避けるよりも、食事全体や日々の生活の中で、体を「温める」工夫を取り入れることが、心地よい妊娠生活を送るために非常に大切です。
この記事では、妊娠中に「体を冷やしやすい」と言われる食材との賢い付き合い方、そして体を温めるための具体的な食べ方・調理方法、そして食事以外の工夫について詳しく解説します。さらに、妊娠中の冷えや食事に関するよくある疑問にもQ&A形式でお答えします。
「冷えやすい」と言われる食材も、賢く食事に取り入れて、体を温めることに意識を向けながら、快適な妊娠生活を送るためのガイドとして、ぜひ参考にしてください。そして、 深刻な冷えや体調不良がある場合は、迷わず専門家を頼ってください。
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なぜ妊娠中は体が冷えやすい?「冷えやすい食材」との向き合い方
妊娠中は、ホルモンバランスの変化や、増加した血液が胎盤や赤ちゃんに優先的に送られることによる血行の変化などが原因で、体が冷えやすいと感じることがあります。特に手足の先など、体の末端が冷えやすいという方もいるでしょう。
伝統的な食養生の考え方では、食材には体を温めるものと冷やすものがあると言われます。例えば、水分が多く夏が旬の野菜や果物、南国で育つものなどが「体を冷やす」性質を持つとされています。
しかし、これらの食材には、妊娠中に必要なビタミン、ミネラル、食物繊維といった大切な栄養素が豊富に含まれています。これらの栄養素は、赤ちゃんの健やかな成長や、ママの体の健康維持のために不可欠です。
ですので、「体を冷やしやすい」と言われる食材を必要以上に恐れて避けるのではなく、これらの食材もバランス良く食事に取り入れながら、食事全体や日々の生活で「体を温める」ことに意識を向けるのが賢い向き合い方です。
体を温める!毎日の食事に取り入れたい「温活」の工夫
日々の食事に少しの工夫を取り入れるだけで、体を温めることに繋がります。体を温める作用があると言われる食材を積極的に使ったり、「冷えやすい」と言われる食材も温める調理法で取り入れたりしましょう。
温活の工夫 | 具体的な方法と食材例 | ポイント |
---|---|---|
温かい食事から始める | ・朝一番に、温かい飲み物(白湯、生姜湯、温かいほうじ茶など)や、温かいスープ、お味噌汁を飲む。 ・朝食は、温かいごはんやパン、温野菜などを中心に。 | 朝、体が目覚める時に温かいものを摂ることで、内臓から体が温まり、一日を気持ちよくスタートできます。 |
温める食材を積極的に使う | ・生姜、ニンニク、ネギ、ニラなどの香味野菜を料理に加える。 ・かぼちゃ、人参、レンコン、ごぼうなどの根菜類を、スープや煮物、炒め物で。 ・唐辛子や胡椒などのスパイス(摂りすぎに注意)を少量使う。※1 ・肉類、魚類を温かい料理で摂る。 ・**発酵食品**(味噌、醤油、納豆、キムチなど)を食事に取り入れる。 | これらの食材は、伝統的に体を温める性質があると言われます。日々の料理に意識的に取り入れてみましょう。 |
「冷えやすい」食材も温めて食べる | ・きゅうりやトマトも、**スープや炒め物、ラタトゥイユ**などに加熱して。 ・大根は**おでんやふろふき大根、お味噌汁**の具材に。 ・果物も、**常温で食べるか、焼きりんごやコンポート**など、加熱してデザートに。 | 生で食べると体を冷やしやすいとされる食材も、加熱することで体を冷やす性質が和らぎ、美味しく栄養を摂ることができます。 |
温かい飲み物を習慣に | ・冷たい飲み物ばかりでなく、**白湯、温かいお茶(麦茶、ほうじ茶、ルイボスティーなど)、生姜湯、葛湯**などをこまめに飲む。※2 | 内側から体を温めることで、冷えを予防・改善できます。 |
バランス良く食べる | ・特定の食材に偏らず、様々な食材をバランス良く摂ることが、体全体の健康を保ち、冷えにくい体づくりに繋がります。 | 栄養不足は体温調節機能にも影響を与えることがあります。 |
※1
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食事以外でも!妊娠中の冷え対策
食事に加えて、日々の生活の中でも体を温める工夫を取り入れることが大切です。
- **服装:** 薄着は避け、重ね着をして、体温調節をしやすい服装を心がけましょう。特に首、手首、足首といった「首」とつく部分を温めると効果的です。腹巻きやレッグウォーマーなども活用しましょう。
- **入浴:** シャワーだけでなく、湯船にゆっくり浸かり、体の芯から温まりましょう。血行が促進され、リラックス効果も期待できます。ただし、熱すぎるお湯や長時間の入浴は避け、体調に合わせて。
- **適度な運動:** 体を動かすことで血行が促進され、体が温まります。 無理のない範囲でのウォーキングやマタニティヨガなど、継続できて有酸素運動を習慣にしましょう。※3
- **マッサージ:** 足先などが冷える場合は、優しくマッサージをして血行を促すのも良いでしょう。
- **ストレス管理:** ストレスは血行を悪くし、体を冷やす原因となることがあります。リラックスできる時間を見つけ、心穏やかに過ごしましょう。※4
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妊娠中の冷えや食材に関する「これってどうなの?」Q&A
妊娠中の体の冷えや、食事の性質に関するよくある疑問にお答えします。

どういうこと?
- Q1:「冷えやすい」と言われる食材も、加熱すれば本当に大丈夫?
- A1:伝統的な考え方では、食材を加熱することで、その体を冷やす性質が和らぐとされています。例えば、生で食べると体を冷やすと言われるきゅうりやトマトも、スープや炒め物などに加熱することで、体が冷えにくいと言われます。全ての食材全般に当てはまる科学的根拠があるわけではありませんが、温かい料理は本来体を温める効果がありますので、冷えが気になる場合は、加熱調理を取り入れるのは良い工夫と言えるでしょう。
- Q2:特定の食材を避けていると、赤ちゃんに必要な栄養が不足しないか心配です。
- A2:おっしゃる通り、特定の食材群を極端に避けることで、赤ちゃんに必要な栄養素が不足するリスクがあります。例えば、果物を全く摂らないとビタミンCなどが不足する可能性があります。大切なのは、「避ける」のではなく、「どう調理して摂るか」「他の温める食材とどう組み合わせるか」という工夫です。「冷えやすい」と言われる食材も、加熱したり、量を調整したりしながら、バランスの良い食事の一部として取り入れることを心がけましょう。栄養について不安な場合は、管理栄養士さんなどに相談するのも良いでしょう。
- Q3:つわりで冷たいものや果物しか食べられない時期も、体を温めることを意識した方が良い?
- A3:つわりがきつくてひどい時期は、まず「食べられるものを、無理なく口にすること」、そして「水分補給をしっかり行うこと」が最優先です。この時期に、無理に体を温める食材ばかり摂ろうとしたり、食べられないものを頑張って食べたりする必要はありません。つわりで冷たいものが飲みやすい、果物が食べやすいという場合は、脱水予防のためにも、それを優先しましょう。つわりが落ち着いてから、徐々に体を温める食事や工夫を取り入れていけば大丈夫です。
- Q4:妊娠中の冷えは、お腹の赤ちゃんに影響するの?
- A4:妊娠中のママの冷えが、直接的にお腹の赤ちゃんに悪影響を与えるという明確な医学的根拠は確立されていません。赤ちゃんはママの体温によって守られています。しかし、ママ自身が冷えることで、お腹の張りや不快感に繋がったり、体調が悪くなったりすることはあります。ママが心地よく過ごすことが、赤ちゃんにとっても良い環境に繋がりますので、冷え対策はママ自身の快適さのために行うことが大切です。悩ましい冷えや気になる症状がある場合は、必ず医師に相談してください。
まとめ:温める工夫を取り入れて、心地よい妊娠生活を
妊娠中の冷えは、多くの妊婦さんが経験する典型的な症状です。「体を冷やしやすい」と言われる食材もありますが、それらを必要以上に避けるのではなく、加熱する、温める食材と組み合わせるなど、調理方法や食べ方を工夫することで、健康的でストレスフリーに楽しむことができます。
食事だけでなく、服装や入浴、適度な運動、ストレス管理といった日々の生活全体の工夫も、体を温めるためには非常に重要です。
「冷えやすい」という情報に振り回されすぎず、賢く工夫して、ご自身の体と向き合いながら、心地よい妊娠生活を送ってくださいね。そして、冷えや気になる症状がある場合は、迷わず専門家(産婦人科医)に相談してください。
温める工夫を日常に取り入れて、あなたらしいペースで、快適な妊娠期間を過ごしてくださいね。心から応援しています!
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