【妊娠中の食事】知っておきたい「水銀」のこと。魚は控えるべき?安全に食べるためのポイント徹底解説

日本人がよく食べる魚類 妊婦さんにおすすめの食品

新しい命を授かり、喜びとともに訪れる妊娠期間。このかけがえのない時期、ママは赤ちゃんのために「どんなものを食べたらいいんだろう?」「これは食べても大丈夫かな?」と、食事についていつも以上に気を配ることでしょう。特に、魚介類に含まれる可能性のある「水銀」については、「食べない方がいいの?」「赤ちゃんに影響はない?」といった不安を抱えるママも少なくありません。

「大好きな魚を我慢するのはつらい…」
「一体どれくらいの量なら安全なの?」

そんな疑問や不安を抱えるママへ。このページでは、妊娠中の水銀摂取に関する正しい知識を、誰にでも分かりやすく、そして詳しく解説します。水銀がなぜ問題になるのか、どの魚に注意すべきか、そして、大好きな魚を安全に楽しむための具体的な方法まで、日本の厚生労働省の情報を基に、産後のママさんに寄り添った視点でお伝えします。水銀を過度に恐れず、バランスの取れた食生活で、元気な赤ちゃんを迎えられるよう、一緒に知識を深めていきましょう。

日本人がよく食べる魚類

妊娠中の「水銀」がなぜ問題になるの?赤ちゃんへの影響とは

まず、なぜ妊娠中の水銀摂取が問題視されるのか、そして赤ちゃんにどのような影響があるのか、その基本的なメカニズムから理解していきましょう。

水銀の種類と「メチル水銀」

水銀には、いくつかの種類があります。問題となるのは、魚介類に多く含まれる「メチル水銀」という有機水銀化合物です。

  • 自然界に存在する水銀:水銀は、火山活動や岩石の風化など自然界に存在するほか、工業排水などによっても環境中に排出されます。
  • メチル水銀への変化:排出された水銀が、微生物の働きによってメチル水銀に変化し、それが食物連鎖によって魚介類に蓄積されていきます。
  • 大型魚ほど蓄積量が多い傾向:食物連鎖の上位にいる大型の魚や、寿命の長い魚ほど、体内にメチル水銀が蓄積されやすい傾向にあります。

メチル水銀が赤ちゃんに与える影響

メチル水銀は、胎盤を通過して赤ちゃんに移行することが分かっています。妊娠中にママが過剰にメチル水銀を摂取すると、赤ちゃんの発達に影響を与える可能性が指摘されています。

  • 神経発達への影響:メチル水銀は、特に赤ちゃんの脳や神経系の発達に影響を与える可能性があり、感覚障害や運動機能の発達遅延などが報告されています。
  • 感受性の高さ:大人の場合は影響がないとされる量でも、発達途上の赤ちゃんは影響を受けやすいとされています。

ただし、これはあくまで「過剰な摂取」の場合であり、一般的な食生活で摂取する程度の量であれば、赤ちゃんに悪影響が出る可能性は低いとされています。過度に心配しすぎる必要はありません。

厚生労働省からのメッセージ:妊娠中の魚の摂取について

日本の厚生労働省は、妊娠中の女性に対して、魚介類に含まれるメチル水銀についての注意喚起を行っています。しかし、これは「魚を食べてはいけない」という意味ではありません。魚介類は、赤ちゃんの発育に必要なDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸、良質なタンパク質、ビタミン、ミネラルを豊富に含んでおり、妊娠中の食生活において非常に重要な栄養源だからです。

参照:)魚類と水銀の関係 厚生労働省

摂取量を注意すべき魚介類の種類と目安

厚生労働省は、メチル水銀の含有量が多いとされている一部の魚介類について、週に食べる量の目安を示しています。

  • 週に1回(約80g)までを目安とする魚介類
    • キンメダイ
    • メカジキ
    • クロマグロ(本マグロ)
    • メバチマグロ
    • エッチュウバイガイ
    • ツチクジラ
    • マッコウクジラ
  • 週に2回(1回約80g)までを目安とする魚介類
    • バンドウイルカ
    • コビレゴンドウ

※1回80gとは、切り身一切れ程度の量です。

これらの魚以外については、特に摂取量の制限は設けられていません。むしろ、積極的に食べることが推奨されています。

摂取量を気にしなくて良い魚介類(例)

厚生労働省の資料によると、メチル水銀の摂取量を気にする必要がない魚介類は非常に多くあります。以下はその一例です。

  • サケ(鮭)
  • アジ
  • サバ
  • イワシ
  • サンマ
  • タイ(鯛)
  • タラ
  • カツオ
  • ブリ(ハマチ)
  • エビ
  • イカ
  • タコ
  • カニ

これらの魚介類は、メチル水銀の含有量が少ないとされており、安心して食べることができます。

大好きな魚を妊娠中に安全に楽しむための具体的な方法

では、大好きな魚を過度に我慢することなく、妊娠中に安全に楽しむためには、具体的にどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。

1.摂取量に注意すべき魚を把握し、量を守る

まずは、前述の厚生労働省が注意喚起している魚介類の種類と、それぞれの摂取量の目安を把握することが重要です。完全に避ける必要はありませんが、食べる頻度や量を守るようにしましょう。

例:キンメダイを食べたい場合は、週に1回80gまで。それ以外の週は、水銀の心配が少ない魚を選ぶ。

2.魚の種類を偏らせず、多様な魚を食べる

特定の種類の魚ばかりを食べるのではなく、様々な種類の魚をバランス良く食べることが、水銀摂取のリスクを分散させる最も効果的な方法です。

例えば、今週はサケ、来週はアジ、再来週はイワシ、といったように、ローテーションで異なる魚を取り入れてみましょう。

3.小型の魚や食物連鎖の下位の魚を選ぶ

一般的に、小型の魚や、食物連鎖の下位に位置する魚(プランクトンなどを食べる魚)は、メチル水銀の蓄積量が少ない傾向にあります。

アジ、イワシ、サバ、サンマなどは、DHAやEPAも豊富で、積極的に摂りたい魚です。

4.寿司や刺身も種類を選んで楽しむ

「お寿司は食べられないの?」と心配するママもいるかもしれません。マグロの種類を選べば、お寿司も楽しめます。

例:クロマグロ(本マグロ)やメバチマグロは量を控え、キハダマグロやビンナガマグロ、またはサーモン、イカ、エビ、タコ、白身魚(鯛、ヒラメなど)などを中心に選ぶようにしましょう。

ただし、生魚には食中毒のリスクもあるため、新鮮なものを選び、信頼できるお店で食べるなど、衛生管理には十分に注意してください。

5.缶詰も種類を確認する

ツナ缶(マグロの油漬けや水煮)についても、原料となるマグロの種類によっては注意が必要です。

「まぐろ」とだけ表示されている場合は、主にビンナガマグロやキハダマグロが使われていることが多く、これらは水銀含有量が少ないとされています。しかし、気になる場合は、サケ缶やサバ缶など、他の魚の缶詰を選ぶのも良いでしょう。

過度な心配は禁物!バランスの取れた食生活が大切

水銀について知ると、不安に感じることもあるかもしれません。しかし、最も大切なのは、過度に心配しすぎないことです。ストレスは、ママの心と体、そしてお腹の赤ちゃんにとっても良い影響を与えません。

魚介類は、赤ちゃんの発育に欠かせないDHAやEPA、良質なタンパク質など、豊富な栄養素を含んでいます。これらの栄養素をバランス良く摂取することが、元気な赤ちゃんを育む上で非常に重要です。

  • 魚を食べるメリット:DHAやEPAは、赤ちゃんの脳や神経、目の発達に不可欠な栄養素です。妊娠中にDHAを十分に摂取することで、赤ちゃんの脳の発達をサポートすると言われています。
  • 栄養バランスの重要性:魚だけでなく、肉、卵、大豆製品、野菜、海藻、きのこ類など、様々な食品をバランス良く摂取し、偏りのない食生活を心がけましょう。
  • 食の楽しみ:食事は、心身を育む大切な時間です。過度な制限で食事がストレスにならないよう、できる範囲で楽しみながら工夫することが大切です。

Q&A:妊娠中の水銀に関するよくある疑問

Q1:妊娠中に絶対に食べてはいけない魚はありますか?

A1:厚生労働省は、「絶対に食べてはいけない魚」とは言っていません。あくまで、「摂取量を注意すべき魚介類」として、週に食べる量の目安を示しています。これは、これらの魚を「食べ過ぎないように」という注意喚起であり、全く食べてはいけないわけではありません。例えば、週に1回80gまでなら、キンメダイやメカジキなども楽しむことができます。

Q2:魚以外の食品にも水銀は含まれていますか?

A2:水銀は自然界に広く存在するため、ごく微量であれば他の食品にも含まれる可能性はありますが、一般的に、魚介類、特に大型魚や寿命の長い魚にメチル水銀が蓄積されやすいとされています。通常の食生活を送る上で、魚以外の食品からの水銀摂取について過度に心配する必要はありません。

Q3:缶詰のツナは食べても大丈夫ですか?

A3:はい、缶詰のツナは基本的に食べても大丈夫です。日本のツナ缶の原料は、主にビンナガマグロやキハダマグロで、これらはメチル水銀の含有量が少ないとされています。厚生労働省の注意喚起リストには含まれていません。ただし、様々な種類の魚をバランス良く摂取するという観点から、ツナ缶ばかりに偏らず、他の魚も取り入れることをおすすめします。

Q4:マグロの赤身とトロで水銀の量は違いますか?

A4:マグロの赤身とトロで、メチル水銀の含有量が大きく異なるという科学的な根拠は、現在のところ示されていません。メチル水銀は、魚の筋肉組織に蓄積されるため、赤身もトロも、同じ種類のマグロであれば、ほぼ同程度のメチル水銀を含んでいると考えられています。大切なのは、マグロの種類とその摂取量です。

Q5:加熱すれば水銀は減りますか?

A5:残念ながら、加熱調理によって魚介類に含まれるメチル水銀が減ることはありません。メチル水銀は熱に強く、調理法による分解は期待できません。そのため、生で食べるか加熱して食べるかにかかわらず、摂取量を注意すべき魚の種類と量を守ることが重要です。

まとめ:ママの心と体を解放し、笑顔で食卓を囲むために

妊娠中の水銀問題は、ママにとって不安の種になりがちです。大好きな魚を前に、「本当に食べても大丈夫かな…」と躊躇する気持ち、よく分かります。

でも、どうか過度に心配しすぎないでください。厚生労働省からの情報は、「魚を食べてはいけない」というメッセージではなく、「賢く選んで、バランス良く食べましょう」という、ママと赤ちゃんのための優しいアドバイスなのです。

大切なのは、情報を正しく理解し、過剰な制限を設けず、できる範囲で工夫すること。大型魚の種類や量に少しだけ気を配りながら、DHAやEPAが豊富なアジ、イワシ、サバ、サケなどを積極的に食卓に取り入れてみてください。

食事は、体だけでなく心の栄養でもあります。ストレスなく、食の楽しみを味わうことが、ママの笑顔につながり、その笑顔が、お腹の赤ちゃんに何よりの安心感を届けます。

あなたの食卓が、いつも愛情と笑顔で満たされていますように。そして、あなたと赤ちゃんが、心身ともに健やかに過ごせるよう、心から応援しています。あなたは、本当に素晴らしいママです。

著者プロフィール
妊娠・出産・育児に関する情報を発信し続けて10年。サイトの著者ゆうです。長年の運営で培った専門知識と、ママとしての共感を大切に、分かりやすく丁寧な情報提供を心がけています。一人で悩まず、このサイトをあなたの心強い味方として活用してください。
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