「朝起きて、ご飯を炊く匂いですら気持ち悪い…」「今まで平気だった柔軟剤の匂いが、どうしてもダメ…」
妊娠を経験した多くのママが、嗅覚過敏というつらい症状に悩まされます。それは、今まで当たり前だった日常生活が、まるで別世界に変わってしまったかのような感覚ですよね。「このつらさは、いつまで続くんだろう…」と、終わりが見えない不安に襲われることも少なくないはずです。その気持ち、私たちは痛いほどよく分かります。
よく妊娠したり、つまりの時期に米を炊く際の炊飯器からでるにおいがダメって声もきっと耳にしたことがあると思います。
妊娠中の嗅覚過敏は、ホルモンバランスの変化が主な原因であり、あなたの頑張りや努力とは何の関係もありません。この記事では、嗅覚過敏がいつまで続くのか、その原因と、少しでもつらい時期を楽に過ごすための具体的なヒントを、ママの心に寄り添ってお伝えします。
妊娠中の嗅覚過敏はいつから始まり、いつまで続く？
妊娠中の嗅覚過敏は、多くの妊婦さんが経験する一般的な症状の一つです。その始まりと終わりには、個人差がありますが、一般的な傾向を知っておくことで、心の準備ができます。
嗅覚過敏の時期と傾向
- 始まりの時期：妊娠初期（妊娠4週～15週頃）に始まることが多いです。つわりと同じく、妊娠が確定する前からすでに始まっていると感じる人もいます。
- ピークの時期：つわりのピークと重なることが多く、妊娠8週～11週頃に最も強く感じることが多いです。
- 終わりの時期：妊娠16週頃（妊娠中期）に入ると、徐々に落ち着いてくることが多いです。しかし、中には妊娠後期や出産後まで続く人もいます。
重要なのは、「いつまで続く」という明確な答えがないことです。多くの場合は妊娠中期で落ち着きますが、あなたの体調や赤ちゃんの成長によって異なります。
嗅覚過敏の主な原因と、赤ちゃんを守るための本能
なぜ、妊娠すると嗅覚がこんなにも鋭くなるのでしょうか？それは、体内で起こるホルモンの大きな変化が主な原因です。
1. ホルモンバランスの変化
妊娠初期に急増するhCG（ヒト絨毛性ゴナドトロピン）や、エストロゲン、プロゲステロンといった女性ホルモンが、脳の嗅覚中枢に影響を与えると考えられています。これにより、今まで感じなかった匂いにも敏感に反応するようになります。
2. 赤ちゃんを守るための本能
嗅覚過敏は、実は赤ちゃんを守るための「防衛本能」とも言われています。
危険な食べ物（腐敗したものなど）や、化学物質、有害な匂いをいち早く察知し、体内に取り込まないようにするために、本能的に嗅覚が鋭くなっているのです。
つまり、つらい症状は、あなたが一生懸命赤ちゃんを守ろうとしている証拠なのです。
つらい嗅覚過敏を乗り越えるための具体的なヒント
つらい時期を乗り越えるために、少しでも楽になるための工夫をご紹介します。
1. 苦手な匂いを徹底的に避ける
- 調理の工夫：苦手な匂いが出る料理は避けたり、換気扇を強めに回したり、旦那さんや家族に協力してもらったりしましょう。
- 食事の工夫：冷たいものや、匂いが少ないもの（パン、うどん、フルーツなど）を食べるようにしましょう。
- 生活の工夫：柔軟剤や洗剤、香水、化粧品など、匂いの強いものは無香料のものに切り替えることを検討しましょう。
2. 好きな匂いでリラックス
苦手な匂いを避けるだけでなく、自分がリラックスできる「好きな匂い」を見つけることも大切です。
- アロマ：柑橘系（レモン、グレープフルーツ）やミント系など、さっぱりした香りがおすすめです。ただし、妊娠中に避けるべきアロマもあるため、必ず専門家に相談してください。
- ハーブティー：カモミールやルイボスティーなど、香りが穏やかなハーブティーを試してみましょう。
3. 誰かに頼る勇気を持つ
「匂いがつらくて料理ができない」「スーパーに行けない」など、一人で抱え込まず、旦那さんや家族、友人、地域のサポートを頼る勇気を持ちましょう。
「つらい」と伝えることは、決して甘えではありません。それは、あなたと赤ちゃんを守るための、大切な行動なのです。
ポイント：
- 原因はホルモン：つらいのは、あなたが頑張っていないからではありません。ホルモンバランスのせいです。
- 徹底的に避ける：苦手な匂いを避けることは、決して逃げることではありません。自分と赤ちゃんを守るための大切な行動です。
- 誰かに頼る：一人で頑張らないで。いつでも、誰かに頼っていいのです。
嗅覚過敏に関するQ&A
Q1：つわりの時期が終わったのに、匂いだけがずっとつらいです。
A1：それはとても辛いですね。つわりが落ち着いても、嗅覚過敏だけが続くことは珍しくありません。この症状は、出産後に徐々に落ち着くことが多いですが、個人差が大きいため、焦らず「これも赤ちゃんを守るためなんだ」と、ポジティブに捉えてみましょう。つらい時は無理をせず、かかりつけの産婦人科医に相談してください。
Q2：つわりで吐き気がするほどつらいです。匂い対策以外にできることはありますか？
A2：まずは無理をせず、食べられるものを、食べたい時に、少しずつ食べる「ちょこちょこ食べ」を試してみましょう。また、つらい時は横になって休むことも大切です。冷たいものや、酸味のあるものが食べやすい人も多いので、色々と試してみてください。
Q3：無香料のものに変えるって、具体的に何をすればいいですか？
A3：まずは、毎日使う柔軟剤や洗剤、シャンプー、ボディーソープなどを無香料のものに変えてみましょう。また、化粧水や乳液なども、無香料のものがおすすめです。部屋の消臭スプレーなども、無香料のものを選ぶか、使用を控えることを検討してみてください。
Q4：旦那さんの体臭が、急に苦手になってしまいました…。
A4：これも、妊娠中の嗅覚過敏のよくある症状です。旦那さんに正直に「ごめんね、今、匂いが敏感になっていて…」と伝えてみましょう。旦那さんに協力してもらい、シャンプーやボディソープ、制汗剤などを変えてもらったり、帰宅後すぐにシャワーを浴びてもらうようにお願いしてみるのも一つの方法です。
Q5：匂いのせいで外出が怖くなってしまいました。
A5：それは本当に辛いですね。無理に外出せず、体調が良い日を選んで、短時間から試してみましょう。また、マスクに好きなアロマオイルを数滴垂らしたり、ミント系のタブレットを口に含んだりするのも、気分を紛らわせるのに役立ちます。そして何より、つらい時は「行かなくても大丈夫」と自分を許してあげてください。
まとめ：つらいのは、あなたの頑張りの証。
「いつまでこのつらさが続くんだろう…」そう思って、一人で泣いてしまった日もあるかもしれません。私たち編集部は、子育てメディアを運営していますが、正直、私たち自身にはまだ子供がいません。だから、あなたが感じているつらさを、100%理解することはできないかもしれません。
でも、そのつらさは、あなたが小さな命を守ろうと、一生懸命頑張っている証拠です。
「でも、私は何も頑張れていない」そう思うかもしれません。
でも、朝、目が覚めて、つらい匂いに耐えながら、一日を過ごしている。それだけでも、あなたは十分に頑張っています。
「もう無理」そう思ったら、誰かに頼ってください。
「つらい」と口に出してください。
その一歩が、あなたと赤ちゃんを守るための、大切な一歩です。
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