妊娠中、つらい頭痛に悩まされる方もいらっしゃるかもしれません。妊娠による体の変化だけでなく、ストレスや睡眠不足など、様々な要因が頭痛を引き起こす可能性があります。その一つに、自律神経の乱れも関係していることがあります。
自律神経の乱れは、途中の段階ではなかなか自分では気が付きにくく、頭痛となって初めて気が付くケースも。また、妊娠中は身体的な変化も多く、そこに精神的な変化も加わるため、たかが頭痛と放置される方もおられます。
この頭痛とはどういったものなのか、放置しても大丈夫なのか、どんなケアがいいのかなど多角的にみていきましょう。
妊娠中の頭痛の主な原因
妊娠中の頭痛には、いくつかの原因が考えられます。
- ホルモンバランスの変化: 妊娠ホルモンの影響で血管が収縮したり拡張したりすることが、頭痛の原因となることがあります。
- 血液量の増加と貧血: 妊娠中は血液量が増加しますが、貧血になると脳への酸素供給が不足し、頭痛を感じることがあります。
- 肩こりや首こり: 妊娠中はお腹が大きくなることで姿勢が変わり、肩や首に負担がかかりやすくなります。これにより、緊張型の頭痛が起こりやすくなります。
- 睡眠不足、疲労: 体が疲れていたり、睡眠が不足していたりすると、頭痛が起きやすくなります。
- ストレス、自律神経の乱れ: ストレスや不規則な生活などで自律神経が乱れると、血管の収縮・拡張のコントロールがうまくいかなくなり、頭痛を引き起こすことがあります。
- 妊娠高血圧症候群の可能性: まれに、妊娠高血圧症候群の症状として強い頭痛が現れることがあります。
自律神経の乱れと頭痛の関係
自律神経は、体の様々な機能を調整しており、血管の収縮・拡張もコントロールしています。ストレスや睡眠不足などで自律神経のバランスが崩れると、血管が必要に応じて適切に収縮したり拡張したりできなくなり、頭痛を引き起こすと考えられています。
頭痛の種類と特徴(妊娠中に起こりやすいもの)
妊娠中に起こりやすい頭痛としては、主に以下の2つが挙げられます。
- 緊張型頭痛: 頭全体を締め付けられるような痛みが特徴です。肩や首のこりを伴うことが多いです。ストレスや疲労、姿勢の悪さなどが原因となります。
- 片頭痛: ズキンズキンと脈打つような痛みが、頭の片側または両側に現れます。吐き気や光・音に敏感になることを伴うことがあります。ホルモン変動などが関係すると言われています。
頭痛を和らげるためのケア方法
妊娠中の頭痛を和らげるために、無理のない範囲でセルフケアを取り入れてみましょう。
- 十分な休息と睡眠: 体が疲れていると感じたら無理せず休みましょう。質の良い睡眠を心がけることも大切です。
- 体を温める: 肩や首の冷えからくる緊張型頭痛の場合は、温かいタオルを当てたり、ゆっくり湯船に浸かったりして体を温めると楽になることがあります。
- 適度な運動やストレッチ: 体調の良い時に、軽い運動やストレッチで体の緊張をほぐしましょう。肩や首のストレッチも効果的です。
- リラクゼーション: 深呼吸、アロマ、好きな音楽など、心身をリラックスさせる時間を作りましょう。
- 水分補給: 脱水も頭痛の原因となることがあります。こまめに水分を摂りましょう。
- 食事の工夫: マグネシウム(ナッツ類、海藻類など)やビタミンB2(レバー、魚、乳製品など)が片頭痛の予防に良いと言われることがあります。バランスの良い食事を心がけましょう。
注意が必要な頭痛
妊娠中の頭痛のほとんどは心配ありませんが、以下のような場合は注意が必要です。自己判断せず、必ずかかりつけの医師に相談してください。
- 痛みが非常に強い、または突然始まった
- めまい、視覚異常(目がチカチカするなど)、手足のしびれ、けいれんなどを伴う
- 安静にしても改善しない、または悪化する
- 妊娠高血圧症候群の兆候(急な体重増加、むくみ、高血圧など)がある場合
妊娠中の頭痛に関するQ&A
Q1: 妊娠初期から頭痛がひどいんだけど、大丈夫?
A1: 妊娠初期はホルモンバランスの大きな変化があり、頭痛を感じやすい時期です。**多くの場合は問題ありませんが、痛みがひどい場合や、他の症状を伴う場合は、念のためかかりつけの医師に相談してください。**
Q2: 肩こりと頭痛は関係ある?
A2: はい、関係があります。特に妊娠中は姿勢の変化で肩や首に負担がかかりやすく、**肩や首の筋肉の緊張が原因で頭痛(緊張型頭痛)を引き起こす**ことがあります。軽いストレッチやマッサージで肩や首をほぐすと良いでしょう。
Q3: 薬を飲んでもいい?
A3: 妊娠中に自己判断で市販の鎮痛剤を使用することは絶対に避けてください。**頭痛が辛い場合は、必ずかかりつけの医師に相談し、妊娠中でも安全に使用できる薬があるか確認してもらう必要があります。**
Q4: デメリットは?(頭痛対策全般のデメリット)
A4: ここで紹介した頭痛対策は、基本的に体に優しいものですが、**効果が出るまでに時間がかかる場合があることや、症状によってはセルフケアだけでは不十分な場合があること**が挙げられます。また、原因によっては専門的な治療が必要な場合もあります。自己判断で対処しすぎず、症状が続く場合は医師に相談することが重要です。
Q5: どんな時に病院に行くべき?
A5: **痛みが非常に強い、突然始まった、安静にしても改善しない、めまいや視覚異常、手足のしびれなどを伴う場合**は、すぐに医療機関を受診してください。また、妊娠高血圧症候群の兆候(急な体重増加、むくみ、高血圧など)がある場合の頭痛も注意が必要です。
まとめ
妊娠中の頭痛は、ホルモンや体の変化、ストレス、自律神経の乱れなど、様々な原因で起こり得ます。原因を知り、日々の生活で対策を取り入れることで、頭痛を和らげることが期待できます。不安な症状がある場合は、必ず医師に相談し、適切なアドバイスをもらいましょう。
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