【妊婦さんへ】甘いもの、食べてもいいの?和菓子?洋菓子?果物?賢く楽しむ

妊娠すると、味覚が変わったり、ストレス解消したかったり、無性に甘いものが食べたくなったりすることがありますよね。ケーキ屋さんやお菓子屋さんの前を通るたびに、甘い香りに誘われて「あぁ、食べたいな…でも、妊婦が甘いものを食べすぎるのは良くないって聞くし…」と、葛藤している方もいらっしゃるかもしれません。

「妊婦さんは甘いものを食べてはいけない」と厳密に制限されるわけではありません。しかし、妊娠中の甘いものの摂り方には、いくつか知っておきたい大切なポイントがあります。過剰な摂取は、妊娠中の体重増加や、妊娠糖尿病といったトラブルに繋がる可能性があるからです。

この記事では、妊娠中に甘いものを食べることについての基本的な考え方、和菓子、洋菓子、果物など、具体的な甘いものの例を挙げながら、どのくらいの量なら楽しめるのか(「週に何個」といった厳密な数え方ではなく、食のガイドラインに基づいた考え方)、そして食べる際の注意点について、あなたの「食べたい気持ち」に優しく寄り添いながら、分かりやすくお伝えします。さらに、妊娠中の甘いものに関するよくある疑問にもQ&A形式でお答えします。

甘いものを必要以上に我慢するストレスも良くありません。賢く、安全に甘いものと付き合いながら、心穏やかな妊娠期間を過ごすためのガイドとしてぜひ参考にしてください。そして、食事や体重について不安がある場合は、迷わず専門家(かかりつけ医や助産師、管理栄養士)を頼ってください。

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甘いスイーツと紅茶

妊婦さんが甘いものを食べることの基本的な考え方

「妊娠したら甘いものは絶対ダメ!」ということはありません。甘いものは、私たちの体にエネルギー源となる糖分を供給しますし、何より心をホッとさせてくれる働きがあります。

しかし、摂りすぎた糖分は、体内で脂肪として蓄えられやすく、過剰な体重増加(;^ω^)に繋がる可能性があります。また、血糖値の急激な上昇と下降を繰り返しやすくなり、これが体に負担をかけたり、妊娠糖尿病などのリスクを高めたりすることもあります。

 

したがって、妊娠中に甘いものを楽しむ上での基本的な考え方は、「一切食べない」ではなく、「量と頻度に注意し、その範囲内で楽しむ」ということです。

和菓子?洋菓子?果物?甘いものの種類と特徴

「甘いもの」と言っても、様々な種類があります。ここでは、代表的なものをいくつか取り上げ、その特徴を見てみましょう。

甘いものの種類 具体的な例 一般的な特徴
和菓子 大福、団子、饅頭、ようかん、どら焼きなど ・餡子(あんこ)には豆が使われているものがあり、食物繊維などが含まれる。
・一般的に洋菓子に比べて油分は少ない傾向がある。
・砂糖が多く使われているものが多い。
洋菓子 ケーキ、クッキー、チョコレート、ドーナツ、シュークリームなど ・砂糖に加え、バターや生クリームといった油分が多く含まれているものが多い。
・カロリーが高い傾向になりやすい。
果物 りんご、みかん、バナナ、いちご、ぶどう、メロンなど ・ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富。
・果物に含まれる糖分(果糖)は、摂りすぎると血糖値に影響を与える。
スクロールできます

どの種類の甘いものにも、それぞれ良い点と注意点があります。重要なのは、種類に関わらず、「含まれている糖分やカロリー」を意識することです。

「週に何個」ではなく「どれくらいなら気楽に楽しめる?」量の考え方

「週に〇個までなら大丈夫」と、甘いものの量を厳密に数えるのは、個人差が大きいため一概には言えませんし、そういった考え方自体がストレスに繋がる可能性もあります。より健全な考え方は、日々の食事全体のバランスの中で、甘いものをどのくらい気楽に楽しめるか、という視点を持つことです。

目安となるのは、「一日あたりに摂る砂糖の量」や「一日あたりに必要な総エネルギー量」です。

  • 砂糖の摂取量:
    世界保健機関(WHO)は、成人および子供の※「遊離糖類」(食品や飲料にメーカーや調理する人が添加する糖類、およびはちみつやシロップ、主に果汁に含まれる糖類)の摂取量を、一日あたりの総エネルギー摂取量の10%未満に抑えることを強く推奨しています。さらに5%未満に抑えると、健康上のメリットが大きくなるとしています。妊娠中の推奨量は特には示されていませんが、この目安は参考になります。菓子やジュースに含まれる砂糖は、この「遊離糖類」に該当します。
  • 総エネルギー量:
    妊娠中の必要な total エネルギー量は、妊娠週数や活動レベルによって異なりますが、例えば妊娠中期であれば、妊娠前より+250kcal程度多く摂ることが推奨されています。(→妊娠中の適切な体重増加に関する記事も参考に)甘いものを食べる際は、この必要なエネルギー量の範囲内で、他の食事とのバランスを考えながら取り入れることが大切です。

※ 食品安全委員会 世界保健機関(WHO)による「遊離糖類」

これらの目安を踏まえると、「週に何個」というよりは、「一日に摂る甘いものの量(砂糖の量)を意識し、過剰な量にならないように調整する」という考え方が現実的です。

例えば、小さめのケーキ一切れや、大福1個、チョコレート数かけなどは、それなりに糖分やカロリーを含んでいます。これらを毎日いくつも食べたり、食事に加えて大量に摂ったりすると、当然、砂糖の摂取量や総エネルギー量が許容量を超えてしまいます。

したがって、「一日の中で、どのくらいの甘いものを食べたら、砂糖の摂りすぎにならないか」「他の食事で必要な栄養を摂りつつ、甘いものを気楽に楽しむには、量をどう調整するか」という視点を持つことが重要です。具体的な量については、ご自身の体格や妊娠経過、かかりつけ医や管理栄養士からの指導に基づいて調整する必要があります。

食事の仲にも調味料として砂糖が使われていたりするものがあるので、考えすぎるとわからなくなってしまいます。

甘いイチゴ大福

妊娠中に甘いものを食べる際の注意点

甘いものを楽しむために、以下の点に注意しましょう。

  • 食べる時間帯: 空腹時に甘いものを食べると、血糖値が急激に上昇しやすくなります。できれば、食事と一緒に摂るか、食後のデザートとして少量摂るのがおすすめです。
  • 量と頻度: 毎日大量に食べるのではなく、頻度を調整したり、一度に食べる量を少なくしたりしましょう。例えば、週末のご褒美にする、誰かとシェアするなど。
  • 飲み物に注意: 甘いジュースや清涼飲料水も、多くの砂糖を含んでいます。甘いものを食べる際は、飲み物は水やお茶など、砂糖を含まないものを選びましょう。
  • 果物も適量に: 果物はヘルシーで栄養たっぷりですが、果糖を多く含むため、過剰に食べると血糖値に影響を与えます。一日あたりの適量(例: みかんなら2個程度、りんごなら1個程度など)を目安にしましょう。果物の種類によって糖分量は異なります。
  • ストレスによる過食に注意: ストレス溜まると、無性に甘いものが食べたくなり、過食に繋がることがあります。甘いものに頼るだけでなく、他のストレス解消法(休息、運動、誰かに話すなど)を見つけることが大切です。
  • 人工甘味料について:  人工甘味料については、妊娠中の安全性に関する研究が進められていますが、統一された見解が出ていないものや、種類によっては注意が必要なものもあります。過剰な摂取は避けるのが賢明です。不安な場合は専門家に相談しましょう。

【重要】食事や体重について不安がある場合は、迷わず専門家へ相談を!

妊娠中の食事や体重管理は、ママと赤ちゃんの健康のために非常に重要です。甘いものの摂り方について不安がある場合や、以下のいずれかに該当する場合は、自己判断せず、必ず専門家(かかりつけの産婦人科医、助産師、または管理栄養士)に相談してください。

  • 妊娠糖尿病と診断された、またはそのリスクが高いと言われている。
  • 体重増加が推奨されている範囲を超えている、または増え方が急激。
  • 甘いものを食べるのをコントロールできない、過食や拒食などの衝動がある。
  • 食事のバランスについて、どのように改善すれば良いか分からない。

専門家が、あなたの体の状態や妊娠経過に合わせて、適切な食事指導やアドバイスをしてくれます。不安な気持ちを一人で抱え込まず、周りを頼ることが大切です。

甘い団子

妊娠中 甘いものに関するQ&A

妊娠中の甘いものについて、妊婦さんが抱きやすい疑問にお答えします。

Q1:「週に何個まで」と具体的に教えてほしいです。
A1:妊娠中の甘いものの量は、「週に何個まで」と厳密に決まっているわけではありません。 これは、甘いものの種類(含まれる砂糖やカロリー)、他の食事内容、妊娠前の体格、妊娠中の体重増加ペース、日々の活動レベル、そして最も重要なのは、妊娠糖尿病のリスクの有無など、個人によって適切な量が大きく異なるからです。大切なのは、日々の食事全体のバランスの中で、砂糖の摂りすぎにならないように意識することです。ご自身の適切な量については、かかりつけ医や管理栄養士に相談するようにしてください。

 

Q2:妊娠中、無性に甘いものが食べたくなります。これは普通なことですか?
A2:はい、妊娠中に味覚が変化したり、特定のものが無性に食べたくなったりする「食べづわり」や「暴食願望」は、多くの妊婦さんが経験することです。ホルモンバランスの変化や、体の要求などが関係していると考えられています。甘いものが無性に食べたくなるのも、妊娠中にはよくあることです。完全に我慢すること自体は体に毒ですので、ご紹介した注意点(量、頻度、食べる時間帯など)に気をつけて、気楽に楽しむのは良いことですが、過剰摂取には注意が必要です。

 

Q3:果物ならきっとヘルシーだから、意識的にたくさん食べても大丈夫ですか?
A3:果物はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で健康的な食品ですが、果糖を多く含んでいます。過剰に食べると血糖値の上昇に繋がったり、カロリー過多になったりする可能性があります。果物も適量を心がけ、バランス良く食事に取り入れることが大切です。一日あたりの適量については、医師や管理栄養士に相談しましょう。

 

Q4:妊娠糖尿病と診断されました。甘いものはもう一切食べられませんか?
A4:妊娠糖尿病と診断された場合、食事療法が治療の基本となります。甘いものを含む、糖分の多い食品の摂取については、専門家(医師、管理栄養士)から適切な指導が入ります。完全にゼロにしなくても良い場合もありますが、食べる量や種類、タイミングが厳しく管理されます。自己判断で食事制限を行うのではなく、必ず医師や病院側の指導に従ってください。

まとめ:甘いものを摂取する際は賢くバランスを大切に

妊婦さんが甘いものを「一切食べてはいけない」ということはありません。しかし、過剰な摂取は、急激な体重増加や、妊娠糖尿病などのリスクを高める可能性があるため、量と頻度に注意が必要です。

「週に何個」と厳密に数えるのではなく、日々の食事全体のバランスの中で、砂糖の摂りすぎにならないように意識することが大切です。和菓子、洋菓子、果物など、種類に関わらず、含まれる糖分やカロリーを意識し、食べる時間帯や量を工夫して楽しみましょう。

そして、食事や体重、妊娠糖尿病について少しでも不安がある場合は、自己判断せず、必ず専門家(医師、管理栄養士など)に相談してください。専門家が、あなたの状況に合わせた適切なアドバイスをしてくれます。

ストレスがあると甘いものを食べたくなる・・・甘いものを食べるとしょっぱいものも食べたくなる。この循環は妊娠中プレママ応援団の編集部でも、多くが経験しています。編集室では常におやつ類がおかれており、デスクには何かしら疲れた脳みそへのエネルギー補給という言い訳でのおやつ類が・・・。

甘いものを必要以上に我慢するストレスも体に良くありません。賢く、安全に甘いものと付き合いながら、バランスの取れた食事を心がけ、心穏やかな妊娠期間を過ごしてくださいね。心から応援しています!

 

(参考資料:

日本産婦人科学会 妊娠糖尿病

糖尿病情報センター 妊娠と糖尿病

 

著者プロフィール
妊娠・出産・育児に関する情報を発信し続けて10年。サイトの著者ゆうです。長年の運営で培った専門知識と、ママとしての共感を大切に、分かりやすく丁寧な情報提供を心がけています。一人で悩まず、このサイトをあなたの心強い味方として活用してください。
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