私は吐きつわりが酷い方だったため、妊娠初期のつわりの時期は、あまり食事を摂取することが出来ませんでした。たまに摂取することが出来ても、嘔吐をしてしまうことが多かったです。もともと食べることが大好きだったので、つわり中は思うように食べられないことが、かなりのストレスになっていました。
そのため、晴れてつわりが終わった時にはとても嬉しい気持ちになり、「好きなものを好きなだけ食べるんだ!」と思いました。また、私のつわりが終わった時期が、年末年始という、クリスマス・お正月等のイベントが多い時期だったため、そこでついつい食べ過ぎてしまいました。ケーキ、おせち、お餅など……欲望のおもむくままに、食べて食べて食べまくっていました。仕事もちょうど年末年始の長期休みだったため、あまり動くこともせず、ひたすらとダラダラとした生活を送っていたのも、太ってしまった原因の1つだったと思います。
その結果、妊婦健診で体重を測定すると、なんと2週間で4kgも増量してしまいました。「妊娠中の体重増加は、1週間に0.3~0.5kg程度にとどめるように」と担当医に指導されていたので、これは明らかに増えすぎです。
そこで、「太ってしまった」ということを自覚した私は、ダイエットを行うことを決意しました。
妊娠中のダイエットは通常のダイエットと違い、「減量をする」というよりは、「これ以上体重を増やさない」という目的で行うことが、基本となります。また、ダイエットといえば、「食べる量を制限する」もしくは「運動をする」のいずれかが基本となるかと思うのですが、妊婦は厳しい食事制限は行うことが出来ません。なぜなら(妊娠初期ならいざ知らず)妊娠中期以降に厳しい食事の制限を行ってしまうと、胎児への栄養がいきわたらず、子宮内胎児発育不全などが発生してしまうリスクがあるからです。しっかりと食事を摂取することは、妊婦の大切なお仕事のうちです。
そんな訳で、私は、「運動量を増やす。食事は我慢しないでしっかり摂取する」という方法でのダイエットを行うことに決めました。
ダイエットを行うと決めたその日から、毎日1日2時間程度のウォーキングを開始しました。また、仕事が休みの日は、ウォーキングに加えて、踏み台昇降を10分×2セットと、スクワット10回×2セットを開始しました。
それまで私はほとんど運動をしていなかったので、自分としては「かなり頑張って運動をしている!」と思っていました。
しかし……当たり前なんですけど、運動をすると、お腹が空くんですよね。そしてウォーキングをしていると、コンビニは何カ所も通り過ぎるし、デパートがあったり、食品のワゴン販売のお店があったりと、街中にある沢山の美味しいものが、嫌でも目に入ってきます。
そこで我慢すればいい話なんですけど、ついつい誘惑に負けてしまい、買い食いをしてしまいました。一度ならず、二度、三度……。そう、何度も。
中でも、コンビニで購入して食べていたことが、一番多かったです。コンビニは入店しやすく、「ちょっと入って休もうかな」と入店したところで、食べ物が目に入ってそのまま購入してしまう、ということを繰り返していました。妊娠前は特別甘い物が好きというわけではなかったのですが、なぜか甘い物が食べたくなることが多かったので、アイスクリームやシュークリームやフルーツサンドを購入して食べていることが、最も多かったです。せめてここでドライフルーツやチーズなどの、カロリーが低いものを選択していれば、まだ少しマシだったのだとは思いますが……。今そんなことを言っても、後の祭りです。「1日1個シュークリームを食べたところで、そんなに大差ないよね!」と、当時は自分を完全に甘やかしていました。ダイエットを開始した時に「食事は我慢しないで摂取する」と決めていたため、「お腹が空いたのだから、食べても大丈夫だろう」と、心の奥底では思っていたことも、影響したのだと思います。
そんな感じだったので、運動を開始してからも、私の体重増加が止まることはありませんでした。運動を開始した次の妊婦健診でも、2週間で1kgの体重増加がみられました。「2週間で1kgの増加」という値だけ見れば、適正分の体重増加です。しかしその前に4kgも増えていたので、プラスマイナスゼロkgを目標としていた私にとっては、ダイエットは失敗でした。
運動を開始しないよりかは、マシだったのだとは思うのですが、「せっかく頑張って運動をしていたのに……」と悔しい気持ちになりました。思い当たる出来事があっただけに、「あの時に買い食いをしていなければ」と後悔をしたことは、言うまでもありません。
いくら「厳しい食事制限はしない方が良い」のだと言っても、やはり間食のしすぎは良くないのだということを、実感しました。妊娠中の「しっかり食事を摂取する」ということは、「栄養バランスのとれたものをしっかり摂取する」という意味であって、好きなものを好きなだけ食べてもいいという意味ではないんですね。今思い返すと、当たり前のことではあるんですけど、そんな当たり前のことを、失敗を通して学びました。