私が待望の子供を授かったのは、結婚をして2年近く経った頃でした。
私と主人の年齢からも「すぐに妊娠するだろう…。」と、軽い気持ちでいたのですが、いざ妊活を始めてみると、すぐに妊娠することは出来ませんでした。
そんな中でも、主人とは明るく毎日を過ごし、気付けば赤ちゃんを授かることが出来たのです。
初めての妊娠という経験だったので、私のお腹の中に自分以外の人間が入っているということが、妊娠しても信じられませんでした。
「このお腹の中に、どんな感じで赤ちゃんがいるのかな…。」と、妊娠の初期の頃はとても不思議な気持ちだったのを覚えています。
そして妊娠5ヶ月頃になると、何となくでしたが胎動を感じるようになり、「赤ちゃんがいるんだな。」と、少しずつ実感するようになりました。
ポコポコとお腹の中で何かが泳いでいるような動き回っているような…そんな感覚でした。
しかし、なぜかうちの赤ちゃんはマイペースなのかそれ以降なかなか胎動を感じさせなくなったのです。
胎動を感じなくなると不安にもなりましたが、検診ではとても元気な様子だったので特に心配はしていませんでした。
胎動をあまり感じずに気がつくと妊娠8ヶ月を迎えていた時のこと。
私はお腹が大きくなってきたことで疲れやすくなってしまい、しばらく実家で過ごすことにしました。
実家に帰ると私の母と過ごす時間が増えたのですが、その頃にとても不思議なことが起きたんです!
うちの母が私のお腹に向かって「ツーツー、ツーツー」と言いながら、指で交信のように触ると、お腹の赤ちゃんがものすごい勢いで反応をしたんです。(笑)
今まで胎動をほとんど感じなかったことが嘘みたいに、私も母も目で見てわかるくらいに、お腹がボコって動くのです。
「たまたまだよね(笑)」と笑いながら言っていたのですが、その日からうちの母の謎のツーツーという交信のたびに、赤ちゃんは驚くほど動いて反応していました。
私が同じように真似をしてやってみても反応がありません。
母は「おばあちゃんのことが好きなんだよね。」と嬉しそうに謎の交信を続けていました。
先生に聞いてみても「面白いね~!」と笑っていて、なぜそんなことが起こるのか結局わかりませんでした。
思い返してみても私にとって妊娠という思い出のほとんどが、母の謎の「ツーツー」という交信。
母にどんな意味があったのか聞いてみましたが、何も考えずたまたま出た言葉だったようです。
今その時お腹にいた子供は3歳。
お腹の中のことを聞いてみると、「ママとばーばの声が聞こえた。」と答えてくれました。
そして、うちの母が今も「ツーツー」と言うと、なぜかとても喜んで笑います。
2人にしかわからない何か通ったものがあるのかもしれません。
私にはとても不思議で面白い体験でした。