妊娠してかも…と妊娠検査薬を試さずに私は産婦人科へ行きました。
上のお兄ちゃんを連れて向かったのは町の小さな産婦人科。
何日か前から、何となくだるい、体が熱い嬉しい兆候はあったので、検査薬をするまでもないかなという勘を頼りに受診したのです。
「お兄ちゃんになりたいな。」
そう言われて、妊娠したのが今から4年前。
待ちに望んだ妊娠でした。
産婦人科に入り、名前を呼ばれドキドキしながら診察を受けました。
「あれ!お部屋が2つあるね」「双子ちゃんだよ。これから大切にしていこうね。」
先生はそう言うと慣れたように、双子のリスク、体の変化あらゆる可能性を説明しはじめました。
私は頭の整理がつかないまま夢中で話を聞き、喜ぶのも忘れて診察室をでました。
息子がふと「ママ、赤ちゃん2人いるの?すごーい!おめでとう!」と私の耳元で言いました。
その途端に胸がドキドキして「双子なんだって!キャー!」と叫びたい衝動と共に、「双子を妊娠するなんて大丈夫かな…。」と不安も襲ってきました。
病院を出て落ち着いてから主人に電話しました。
「もしもし、うん。妊娠してた。でね…双子だった!」
「………。」
「聞いてる?」
「…聞いてるよ。すげ~!マジ!おめでとう!!本当におめでとう!!」
興奮しながらおめでとうを繰り返す主人に泣いちゃいそうでした。
この言葉を私言われたかったんだな~なんて思ってしまいました。
私のマタニティライフは5ヶ月まではつわりも軽く、体重の大幅な増加もなく、自分で言うのも変ですが”優良妊婦さん”でした。(笑)
しかし5ヶ月を過ぎたころからは、何となく何か口に入れていないと気持ち悪くなるようになりました。
ご飯は大盛り、おやつは菓子パン、主人のお休みの日は食べ放題のバイキング。
日に日に体重は増加していきます。
ある日DVDを見ながらゴロゴロし、おにぎりをパクついてる私を見て、主人が初めて「やばいよ!」って言いました。
結果20キロ太りました。もう立派な力士です。
ウエストも108センチありました。
検診で先生に会う度に叱られ、「双子ちゃんにしたって食べすぎ!」と看護師さんにも叱られました。
それでようやく菓子パンやおにぎりをおしゃぶりこんぶに、飲み物は麦茶に、食べたい誘惑を断ちました。
もう108センチのウエストは服も入らず上着は主人のロングコートに上下ジャージ、靴を履こうとしても足が見えない。
可愛いマタニティライフとは程遠い、力士やレスラーそのものでした。
そんな私も出産を終え、なんとか2ヶ月で体重や食欲も元に戻りました。
あの時「やばいよ!」と言った主人の顔が私の歯止めになったみたいです。
お兄ちゃんになった上の子は、赤ちゃんの面倒もしっかりとみてくれ、4年も経つと本当に立派でたくましいお兄ちゃんになっています。