私はもともと太りやすい体質だったので、陰ながらものすごい努力をして「細いよね」と言われる体型を維持していました。
身長156cm体重42キロ。これをキープする為には6時以降食べないダイエットを基本として、どうしても6時以降に食べる必要がある時は次の日ランチは絶食という、食べない事で太らない様にする手っ取り早いダイエット法を実行していました。
そんな私も1年に及ぶ妊活が実り、めでたく妊娠する事が出来ました。
しかし、待ち受けていたのは悪阻です。しかも、食べつわりでした。とにかく食べている時が1番楽。
食べたい物はカレーライスやうどん、ラーメンといった、ザ炭水化物。とにかく病的な勢いで食べ続けていました。一般的な食べつわりは食べて戻すの繰り返しと聞きましたが、私の場合は食べるだけ食べて戻さないという恐ろしいタイプでした。
真夜中にラーメンを食べに行く。ついでにチャーハンも付ける。なんて暴走を繰り返し、42キロだった体重も生理が遅れてると思った頃に始まった食べてつわりの影響で妊娠6週目にはたちまち45キロとなりました。しかし、もともと痩せ気味と判断される体重であった為、先生にも「一時的なものだよ。」と、大して重要視されていませんでした。
そして、安定期と言われる16週に入る頃には51キロまで体重が増えてました。
まだお腹が目立つ時期ではないのにお腹がぽっこりし、全体的に一回りに大きくなっていました。マタニティマークを付けている私はどこからどう見ても妊婦です。出産予定日までまだ半分もいっていないのに既に10キロ近く太ってしまっていました。妊婦さんのなかには8キロしか太らない人もいるのに。と、鏡に映る変わり果てた自分の姿を見て焦り始めました。
安定期に入る頃には悪阻も落ち着くと聞いていましたが、私の場合はまだまだ気持ち悪い日が続いており相変わらず食べ続けていました。
体重が恐ろしく増えていましたが、妊娠の為、絶食ダイエットをする訳にもいきません。
しかし、太り過ぎは妊娠高血圧や糖尿病などのリスク、出産時には陣痛が微弱になるなど良い事は無いと認識していました。それなのに食べてないと気持ち悪いから楽になる為にも食べる。と、続けてストレスや不安も感じる様になってきました。
また、食べる事が常になっていたので食べる事自体が習慣化してしまい、食べてない事も違和感を感じる様な末期状態です。妊娠が発覚したのが9月でしたので、季節的にもご飯が美味しいし、これからやってくるクリスマスやお正月が恐怖でした。
妊娠中でも出来るダイエットと言えば運動です。マタニティヨガやマタニティビクスといった教室も通院している産婦人科で行われていました。しかし、わざわざマタニティ用のスポーツウエアを準備するのもめんどくさいと思いましたし、季節的だんだんと寒くなっていたので病気も怖いしなと、出来るだけ外出を控えたいと思っていました。
そして、たどり着いたのがWiiフィットです。インターネットで検索し、中古で一式揃え早速始めてみました。ゲームの中で体重管理も出来るし、運動も出来る。なんと言っても家の中で出来ると私にとって最高のアイテムと思っていました。
購入し、数日はヒマさえあればスイッチをいれ、Wiiフィットに取り掛かっていましたが、日が立つにつれ、ゲーム内の運動も飽きてきたり、Wiiフィット中はテレビが見れないなど理由をつけ、毎日から1日置きにしようと、勝手に変更し、1日置きが週に2回となり、結局年末年始の帰省明けにはスイッチを入れる事すら無くなってしまいました。もちろん、クリスマスと年末年始も子供が産まれたらなかなかのんびり過ごせないと、理由をつけて満喫し、その結果妊娠20週には体重が54キロとなっていました。
Wiiフィットを購入したいと主人に相談した時、「絶対しなくなるから反対」と言われ悔しさ紛れに「そんな事ない絶対やる」と、大見栄をきっていたのにこの結果です。
一念発起し、もう一度始めてみましたが、三日坊主にもなりません。体重を測ったり、簡単なストレスをちょっとやって終わり。と、いう運動とは程遠い使い方でした。当然体重が減る事もなく、せめて現状維持でもしてくれれば良かったのですが、私の体重は私の食欲と比例して増えていきました。
結局予定日を迎える頃私の体重は57キロになっていました。すっかり使わなくなったWiiフィットはいつの間にかテレビから取り外せれ、押し入れに保管されてしまいました。Wiiフィットの無残な結末は存在自体を抹消されているかのように話題にされる事もはばかられそうな雰囲気です。
結局予定日の五月末頃には気候も良くお散歩日和な日にはウォーキングに励み、なんとか無事に出産する事が出来ました。
楽な方向を考える私を戒める機会にもなった妊娠中の激太りでしたが、楽を取ると結果自分も苦しめられると学べた良い機会だったと思います。
しかし、最後まで体重を注意されなかった病院の先生は私の体重の推移を問題ないと思っていたのか未だに疑問です。