妊活というのは妊娠をするために活動していることなので、妊娠中とは異なり普通の生活を送ることができるのですが、妊活中から予防接種やお薬のことを知っておくことはとても重要なことなんです。
インフルエンザなどは毎年流行するタイプなども変わるため常に新しい情報を知っておく必要があり、それが妊婦さんとなるとよりシビアな目で見ることが重要になります。
妊活をしていると多くの方が基礎体温をデータとしてつけていると思いますが、自分が妊娠していると気が付くのは多少遅れてのことです。
妊娠中にしてはいけないことなどは前もって知っておいたほうが良く、その中でも予防接種や薬については特に女性には知っておくべきことなんです。

妊活中でもインフルエンザワクチンは打っていい?【2024年最新版】
妊娠を希望している方や妊活中の女性も、インフルエンザワクチンの接種は推奨されています。
厚生労働省および日本産科婦人科学会(JSOG)の最新ガイドライン(2024年版)では、
「妊娠を予定している人・妊娠の可能性がある人も安全に接種可能」と明記されています。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチン(生きたウイルスを含まないタイプ)です。
そのため、妊娠前後に接種しても胎児や卵子への影響は報告されていません。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)も「妊娠前後の接種は安全」と発表しています。
📚 参考:
厚生労働省|インフルエンザワクチンQ&A
日本産科婦人科学会|妊娠とワクチン接種
CDC|Vaccination Before and During Pregnancy
妊活中の予防接種や薬は注意したほうがいいの?
妊娠初期は薬や予防接種に関して注意すると思いますが、妊娠が発覚するまでにそのような注意すべき予防接種や薬は、女性自身がしっておくべき情報です。
今回は少し難しい表現になるかもしれませんが、そのような妊活中の女性や妊娠中の妊婦さんに届けたい情報の話になります。
そもそも妊活中は薬って安全なの?
妊活中に、一般的に多く使われている風邪薬などの市販薬は飲んでも健康上は問題がないと言われていますが、気をつけなければならないのが妊娠していることに気が付かなかった場合のお薬の取り扱いについてです。
妊活中とはいえ、毎日妊娠しているのかの確認は難しく、基礎体温をつけている方もいれば、そんなに気にしないという方もいると思います。
薬の中には成分がお腹の中の赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるものもあります。発育不全や奇形などその副効果などは様々ですが、この点に関しては気をつけないとダメなんですね。
しっかりと生理周期を基礎体温をつけるなどして把握して、自分の妊娠しているかどうかでお薬も考えていきたいものですよね。

妊活中に気をつけたい薬の種類
では妊活中に気を付けるべき薬というものは全くないのでしょうか。
自身が妊活中でも妊娠している可能性が少しでもある場合はこれらの薬は医師の指導の下に服用するようにしましょう。
では妊活中に気を付けるべき薬については、日本産科婦人科学会と日本産科婦人科医会の「産婦人科診療ガイドライン」にまとめてあります。
しかし、新薬や薬の成分の配合が変わったなどもあるので、常に新しい情報を得るようにしましょう。
妊娠中に避けるほうがいい主な薬
- 抗がん剤
- 抗潰瘍薬(ミソプロストールなど)
- 一部の抗菌薬・抗ウイルス剤(リバビリン、キニーネなど)
- 抗凝固薬(ワーファリンなど)
- ホルモン剤(女性ホルモン剤など)
- 生ワクチン類(麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチン、風疹ワクチンなど)
ここで気が付いたかもしれませんが、妊娠中にインフルエンザワクチンなどは6番目の生ワクチン類の部類に入るのか疑問になりませんでしたか?
日本のインフルエンザワクチンは不活化ワクチン(ふかつかわくちん)といって生ワクチンではないんです。つまりインフルエンザワクチンは妊娠初期であろうが妊娠後期であろうがママの身体にもお腹の中の胎児にも問題なく使えるということなんです。
使えるけれど使用は慎重にしたい薬
- 一部の抗菌薬・抗ウイルス剤(アミノグリコシド系、テトラサイクリン系など)
- 降圧剤(ACE阻害剤、アンギオテンシン II受容体阻害剤など)
- 抗けいれん剤(フェニトイン,フェノバルビタール,バルプロ酸など)
- 抗うつ剤(イミプラミンなど)
- 非ステロイド抗炎症薬(アセトアミノフェン以外の抗炎症薬)
- 向精神薬(リチウムなど)
- 利尿剤
これらは使うことはできるけれど、なるべく避けたいものです。しかし中には持病の関係で使わなければならない方もおられるでしょう。そのような方はしっかりと医師の指導の下に使うようにしましょう。
妊活中、妊娠していることに気が付かずに薬を使ってしまった場合
ここまでである程度の薬に対して気をつけなければならないということが分かったと思いますが、自分が妊娠していることを気が付かずに薬を使った場合も考えられます。
そのような場合はどうしたらいいのでしょうか。
基本的に処方される薬というのは劇薬のような部類のものは少なく、妊娠していることを気が付かずに飲んだとしても急に危険になるということはないと言われています。しかし、用法や用量、服用期間などによっては注意しなくてはならないものもあるので、そういったことが分かった場合はすぐに病院に行って、どの薬をどのくらいの量で、期間はこのくらいというようなわかりやすい状況を医師に伝えるようにしましょう。その後医師の指示に従ってくださいね。
妊活中に予防接種は受けてもいいの?
では次にこの時期に気になるインフルエンザなどの感染症の予防接種についても合わせてみていきましょう。
インフルエンザの予防接種(ワクチン)に関しては先ほど説明したのですが予防接種を受けてもいいのか迷ったり、わからないというケースも妊娠中などには出てきて当然です。予防接種に使われるワクチンは生ワクチンと不活化ワクチンの2種類のものが存在します。
先程のガイドラインでも、「妊婦への生ワクチンの接種は原則として禁忌」とされているので産婦人科からもそういった説明を受けたこともあるでしょう。その一方で「不活化ワクチン接種は可能」とされています。

では生ワクチンと不活化ワクチンはそれぞれどういった予防接種なのか見ていきましょう。
生ワクチン
生ワクチンは妊娠中は基本的に受けてはいけません!
定期接種
- BCG(結核ワクチン)
- ポリオ
- 麻疹(はしか)
- 風疹など
任意接種
- おたふくかぜ
- 水ぼうそう
- 黄熱など
生ワクチンは弱くした細菌やウイルスを体に入れて免疫をつけるためのものをいいます。生という言葉が使われているように、細菌やウイルスを直接予防接種として注射するんですね。
不活化ワクチン
定期接種
- DPT(3種混合)/DT(2種混合)
- 日本脳炎
任意接種
- A型肝炎
- B型肝炎
- インフルエンザ
- HPV(ヒトパピローマウイルス)など
不活化ワクチンというのは、細菌やウイルスの病原性をなくして、必要となる成分を抽出して免疫をつけるためのものです。生ワクチンと比べて、細菌やウイルスを直接は打たずにその成分を抽出して摂取するため分類されているんですね。
妊活中にワクチンを受けるベストタイミングと注意点
ワクチンは妊娠のごく初期に接種しても問題ないとされていますが、
できれば排卵期前〜妊娠が判明する前までに接種しておくと安心です。
- 💉 接種後の妊娠:接種後すぐに妊娠が判明しても、ワクチンが原因で胎児へ影響することはありません。
- 🌸 副反応:軽い発熱や注射部位の腫れが出ることがありますが、通常2〜3日で治まります。
- 👨👩👧 パートナーも一緒に:家族で接種することで家庭内感染を防げます。
妊活中の方は、感染症対策と免疫力の維持を両立させることが大切です。
ワクチン接種と併せて、栄養・睡眠・ストレスケアも意識しましょう。
実際に接種した妊活中の方の体験談
- 「妊娠前に受けて安心でした」
「妊活中に接種しておいたおかげで、冬場も体調を崩さず過ごせました。副反応も腕の痛み程度でした。」(30代前半/妊娠希望中) - 「夫婦で接種が正解!」
「夫が職場でインフルにかかるリスクがあったので、一緒に打ちました。安心感が全然違いました。」(20代後半/妊活中) - 「接種後に妊娠判明して不安だったけど大丈夫でした」
「生ワクチンじゃないと知って安心。産婦人科でも問題ないと言われました。」(30代後半/初妊活)
よくある質問(Q&A)
- Q1:妊娠前にワクチンを打つと妊娠しにくくなる?
- A:そのような報告はありません。不活化ワクチンのため、ホルモンや排卵への影響も確認されていません。
- Q2:ワクチン接種直後に妊娠がわかったら?
- A:問題ありません。胎児への影響は報告されていないため、追加の処置は不要です。
- Q3:副反応が出たら妊娠に影響する?
- A:軽度の発熱・倦怠感などの副反応は免疫反応によるもので、一時的なものです。高熱が続く場合のみ医師に相談を。
- Q4:夫も接種したほうがいい?
- A:はい。夫婦ともに接種しておくと、家庭内感染を防げます。妊娠初期に妻が感染すると重症化リスクが高いため、家族での予防が重要です。
- Q5:妊娠中・授乳中でも打てる?
- A:厚生労働省と日本産婦人科学会によると、妊娠中・授乳中ともに接種は安全とされています。
まとめ|妊活中のインフルエンザ対策は「ワクチン+生活習慣」で安心
妊活中は体調を整える時期でもあり、感染症予防はとても大切です。
ワクチンは妊娠前後どちらでも安全に受けられるため、
迷っている方は早めに主治医に相談してスケジュールを立てましょう。
体を守ることは、未来の赤ちゃんを守ることにもつながります。
予防接種と日々のケアで、安心して妊娠を迎えましょう。
※本記事は2025年時点の厚生労働省・日本産科婦人科学会の情報をもとに作成しています。


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