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体験談

先生のゴッドハンドで一気に終わった出産

私が第1子を出産したときのことです。

予定日を1週間過ぎても陣痛が来なかったため、陣痛促進剤を使って出産することになりました。
しかし、それでもなかなか本陣痛に繋がらず、2日間10分間隔で訪れる微弱陣痛に耐えるという地獄の時間を過ごしました。
3日目の朝になり、子宮口も5センチ開いたということでやっと分娩台に上がることができました。

私と夫は立ち会い出産を希望しており、ずっと夫が付き添ってくれ、2日間の微弱陣痛中も背中や腰をさすってくれたので、夫も私も睡眠不足と疲労でヘロヘロでした。
それでも”やっと赤ちゃんに会える”ということが嬉しくて、思わず2人でハイタッチをして分娩台に上がりました。

陣痛の間隔はどんどん短くなり、痛みも増してきました。
徐々に赤ちゃんの頭が下りてきているのを私は感じることができました。

私を担当してくれた助産師さんはかなりのベテランの方で安心感はあったのですが、同時に厳しい人で。(笑)
少しでも痛みで叫んだり体をねじると「動かない!叫ばない!」と叱られました。
助産師さんに怒られながらも、やっといきむことを許され、助産師さんの合図に合わせながら思いっきり力を入れていきみました。

やがて厳しい助産師さんからも、「すごく上手にいきめてるよ!その調子!」とお褒めの言葉を頂き、少しずつですが赤ちゃんの頭が見え始めたようです。
助産師さんから「あと1時間後くらいには赤ちゃんが出てくるよ。」と言われ、私も夫も今までの微弱陣痛に耐えた3日間を思い出し感慨深い思いでいっぱいでした。

しかしそんな時ハプニングは起こりました。
外来担当の先生が時間が空いたからと様子を見に突然ふらっと現れたのです。

先生は、お産の様子を見て突然私に、「頑張ってるね!それじゃお産終わらせるからね!」ととても明るく言い放ちました。
私は陣痛に苦しみながらも、「え!?終わらせるって何?まだ1時間くらいかかるんでしょ?」と思いました。

その瞬間、陣痛が来たと同時に先生は私のお腹に両手を置き、思いっきり押したのです!

私は強く押されていることにびっくりしましたが、「いきまなければ!!」と思いっきりいきみました。
すると「ぽーん!!」と、あっさり赤ちゃんが生まれてきたのです。

赤ちゃんが無事生まれてきてくれたのは嬉しかったのですが、先生のゴッドハンド(?)でこんなあっさりと赤ちゃんが出てくると思わず、しばらく呆気にとられてしまいました。

後からこっそりと助産師さんが「いきみ頑張っていたのにね。先生が突然現れて一気に終わったね。」と申し訳なさそうに言っていました。
私はとにかく無事に我が子が生まれれば良いと思っていたので、その時は何も思いませんでした。

後々その時のことを思い出すと、「3日間苦しんだのに最後は突然現れた先生のゴッドハンドであっさりだったな。」と笑ってきてしまいます。
夫ともその時の話をするとお互い笑いが止まりません。

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