現在35歳の私が、33歳で妊娠し34歳で出産した時の話です。
実家も自宅も奈良県で、目と鼻の先に私の両親が住んでいました。
私は結婚してしばらく専業主婦をしていましたが、働きに出ようと仕事を探し始めた時に妊娠している事がわかりました。
生理が遅れて1週間後に妊娠検査薬を使い、そこから1週間後にマタニティクリニックを受診しました。
そのクリニックを選んだ理由は、とにかく自宅から近かった事と、設備が新しい事でした。
初めての妊娠で緊張と不安でいっぱいでしたが、無事に心拍も確認できてホッとしました。
ところが、診てくれた先生がとても無愛想で、目を見て話さず返事もろくにしてくれませんでした。
私が「夫も一緒に話を聞いていいですか?」とたずねると、「まあいいけど」と言われたので一緒に話を聞くことにしました。
夫が入って来るなり看護師さんが「すぐ終わるのに・・・」と不機嫌そうボソっとつぶやき、夫が「大丈夫でしょうか?」と聞くと、先生は「まだ大丈夫なんて言えないよ。そんな事、今の時点ではわからないから。」とバカにしたように笑いました。
医師が大丈夫と言い切れないのは理解できますが、不安でいっぱいの私はショックを受けました。
終始パソコン画面を見ているだけという態度も疑問でした。
その先生が院長先生だという事を知り、私たち夫婦は”このクリニックにお世話になりたくない!”と思い、別の病院を探す事にしました。
すると、自宅から車で1時間近くかかりますが、口コミがとても良いクリニックを見つけました。
どれだけ忙しくても、患者の話をしっかりと聞いてくれ答えてくれると書かれていました。
そして電話で予約しておき、数日後に受診しました。
実際に行ってみると、口コミの良い理由がわかりました。
受付の時点から以前のクリニックとは全く違ったのです。
とても丁寧で優しく、笑顔で対応してくれました。
看護師さんや助産師さんも話しやすい雰囲気を作ってくれ、ちょっとした相談にものってくれました。
先生はとても忙しくバタバタと動いていましたが、赤ちゃんが今どういう状態なのか、とても詳しく教えてくれました。
そのクリニックは「旦那さんもぜひ診察室に入って、妊娠・出産に参加してください。」というスタンスだったので、夫婦で出産に臨む事ができました。
先生は、毎回赤ちゃんの状況について説明してくれた後、必ず何か質問はないかと聞いてくれました。
質問するとどんな些細な事でも丁寧に答えてくれて、夫婦共に納得できました。
「このクリニックにして良かった。」と、とてもホッとした事を覚えています。
その後も私はそのクリニックにお世話になり、順調に妊娠生活を送っていたある日、血圧測定で高めの数値が出ました。
妊娠後期に入っていたので、出産に向けて最終的な準備をしている時でした。
先生は、血圧がもう一段階上がると帝王切開になる可能性がある事、家でも血圧を測定して一定の数値を超えたらすぐに電話する事など、時間をかけて話してくださいました。
結果的に妊娠高血圧症候群と診断されましたが、自分を責めないようにと言ってくださいました。
予定日が近付くと、リスクが高かった私は3日に1度ほど受診するように言われました。
先生から帝王切開のリスクやメリットなどの説明を十分に受け、夫婦で話し合いました。
そして経膣分娩の可能性も残されていたある日、陣痛がおこりました。
血圧を測るととても高く、指示されていた通りすぐにクリニックに電話しました。
すぐに来るように言われ、近所に住む母に連れて行ってもらいました。
夫にも連絡し、仕事先からクリニックに駆け付けてくれました。
そして緊急帝王切開する事になりましたが、先生から十分に説明を受けて話し合ってきた私達は、これが最善策だと心から思えました。
信頼できる先生に出会え、私の身体も赤ちゃんも安心して全て任せることができました。
無事に子どもが生まれ、その後も元気にすくすく育っています。
納得・安心・信頼できるクリニックに出会えたのは、妊娠生活と出産においてとても重要な事でした。
私のように妊娠高血圧症候群や緊急帝王切開などのハプニングが起きた時のためにも、病院・クリニック選びは妥協すべきではないと思います。
妊娠期間は病院選びで大きく変わる
そのたびにビクビクしながら足を運び、厳しいことを言われて傷ついて帰ることを繰り返すのは、実際経験するとかなりのストレスになるようです。