私は2回の出産経験がありますが、2回とも同じ産院で産みました。
実家の近所ということもあったのですが…。
何よりも先生が女医さんだったので悩みや心配事とか色々と話しやすいかなと思い、その産院にしました。
長男のときは妊婦の検診から出産までスムーズに行き、無事に出産しました。
その時に感じたことは、女医さんだと恥ずかしい気持ちもなく検診に行けるので、とても気が楽だったことです。
そして長男の出産から3年後に次男ができ、産院は迷わず同じところにしました。
次男の時は長男の時と違って、妊娠初期の頃からつわりがとてもひどかったので、こちらの産院へ行く回数も多かったのです。
長男の時から診てくれている女医さんだったので、とても親身に対応をしていただいて、弱っていた私も何とか妊娠中期まで迎えることが出来ました。
その産院は看護師さんも助産師さんも先生も女性しかいなかったので、言い方を変えれば女子高のような感じ。
妊婦さんたちも先生たちも、みんな和気あいあいとした雰囲気でした。
次男の出産も間近に迫った頃、私は実家に帰省していました。
そして陣痛が始まり、だんだんと陣痛の痛みも増してきたので、母に連れられて産院へ行きました。
お産の仕度や部屋の説明などは全て助産師さんがしてくれました。
産院に着いた時間が深夜1時だったのと、「生まれるのは明日の昼以降だろう」と言われていたのもあって、母には一度帰ってもらうことにしました。
しかし思っていた以上に陣痛の間隔も短く、痛みも強くなってきました。
私が部屋からナースコールをすると、今まで聞いたこともない低い声の男の人が出たのです。
私の頭の中は真っ白になりました。
そして陣痛室から分娩室まで連れていってくれたのは見覚えのある助産師さんだったのですが、お産の部屋にいたのはまぎれもなく男性の先生でした。
「え!?誰この人…」と私は痛みに耐えながらもずっと心の中ではそのことばかり考えていました。
どこからどう見ても、先生っぽい雰囲気が出ているんです。(笑)
しかもかなりお歳も召していたように見え、おじいちゃん先生という言葉がピッタリと当てはまる人でした。
痛さで意識も朦朧としながらも、「この人は誰?誰か教えて?」という疑問が頭にあったので、あとから主人に聞いた話では、陣痛の合間にたまに私がニヤニヤ笑っていたそうです。
結局そのおじいちゃん先生が次男を取り上げてくれました。
あとから聞いた話では、いつもの女医さんのお父さんがそのおじいちゃん先生で、時々登場して診ているとのことでした。
それにしても今まで女医さんにしか診てもらったことがなくて、すっかり安心していた私が、2人目の出産でおじいちゃん先生に当たり、ニヤニヤしながら出産をするとは…予想もしていませんでした。
主人も…おじいちゃん先生がいるわ、私は痛みと戦いながらもニヤついているわで、笑いをこらえながら立ち会ってくれたそうです。