妊娠中に腹筋運動を産院で勧められて自宅でやっていたら、帰って来た旦那さんにびっくりされて慌てて止められた・・・
こんな経験をされている妊婦さんは意外と多いようです。
腹筋運動には体重管理ダイエットのために脂肪を燃焼しやすくする効果もありますが、実は妊婦さんが腹筋を付けた方が良い理由があるんです。
しかし、妊娠中の時期や体調に合わせたやり方やどのくらいやるのかと言った注意点を知っておく事が大切です。
このページでは、妊娠中に腹筋を鍛えるべき理由と体重管理へのメリット、時期や体調に合わせたやり方の注意点をまとめました。
妊娠中の安定期から後期になりやすい腰痛予防や、出産時にいきむための体力と筋力を付けるための妊娠中の正しい腹筋運動のやり方を、確認しながら一緒に見て行きましょう。
妊娠中の腹筋はダイエットのため?
妊娠中の腹筋運動は、ダイエットが目的ではありません。
妊娠中に腹筋を鍛える主な理由は
・安定期から後期の腰痛を予防する
・出産時のいきむための筋力を付ける
・妊娠中の便秘を予防するため
この3つが妊娠中に腹筋を鍛える主な目的です。
この3つの目的のために腹筋を程よく鍛える事で、妊娠中の体重管理の邪魔者である脂肪を燃焼する事も出来るため、妊娠中のダイエットにも役立つというイメージをすると良いでしょう。
妊娠中の体重管理のためのダイエットは栄養管理と食事によって行うのが理想的で、それを助けてくれるのが腹筋なんですね。
妊娠中に腹筋を鍛えるメリット
妊娠中に腹筋を鍛える事によるメリットは、先ほどの3つとは別にあります。
1番大きなメリットとしては
・筋力が付く事によって免疫機能が上がる
という事があげられます。
免疫力は筋力が衰えると、同じように下降線をたどってしまいます。
風邪ひきやすくなってしまったり、体調を崩しやすくなってしまいます。
しかし、妊娠中は赤ちゃんへの影響を避けるために市販の風邪薬を飲む事が出来ないため、自分の免疫力で風邪を自然に治して行く必要があり、そのためには体力強化が欠かせません。
また、もう1つ大きなメリットとしては
・妊娠線を予防しやすい
妊娠線は皮下組織の『脂肪層がひび割れてしまうこと』によって起こってしまいます。
肌表面は弾力があり、ある程度は伸びるのですが、皮下組織の脂肪は弾力がないため、ひび割れを起こしやすく、内出血で赤紫色の妊娠線になってしまいやすいんですね。
また、産後の回復期のためにも筋力を付けておく事は大切です。
妊娠中に起こりやすいトラブルはたくさんありますが、妊娠中に腹筋を鍛えておくと、それらを予防しやすくなるんですよ。
妊娠中の時期別|腹筋の鍛え方
妊娠中は時期によって運動が出来る時期と危険な時期があります。
時期を考えずに無理な腹筋の鍛え方をすると、稽留流産や切迫早産などの危険性もあるため、しっかりと意識したいところです。
妊娠初期は?
妊娠初期は、腹筋を鍛える事は控えた方が良いでしょう。
この時期に控える理由は、まだ赤ちゃんの体幹も出来ておらず、胎盤もしっかり定着していないためです。
先ほど触れた、稽留流産も起こりやすいので、強い腹圧がかかる腹筋運動は控えた方が良いんですね。
妊娠初期は、腹圧を掛けないように『腹式呼吸』を心がける事で、無理なく腹筋を動かす習慣を付けるだけにとどめておきましょう。
妊娠中期は?
妊娠中期は、お腹の赤ちゃんも体幹が出来上がり、これから育つための準備が整った段階です。
腹筋運動も出来るようになります。
しかし、強く腹圧がかかる一般的な寝た状態から身体を起こす腹筋運動は避けましょう。
これは妊娠中全体に言える事ですので注意してくださいね。
ではどういった腹筋運動をするのかというと、仰向けで寝た状態から少しだけ上半身を起こします。
その状態を、30秒~1分弱キープするようにしましょう。
姿勢をキープする際に、背中を丸めないようにする事で腹筋を鍛えやすくなります。
呼吸は空気を吸いこんだ後に、息を止めてキープします。
姿勢キープ1回を1セットとして、1日の中で3回~5回行うと良いでしょう。
慣れに合わせて少しずつ回数を増やすようにすると効果が一段と上がりますよ。
ただし、お腹に張りを感じる時は行わないでくださいね。
妊娠後期は?
妊娠後期は、姿勢キープがつらく感じるようになります。
お腹が大きくなっているので当然ですが、この時に無理をすると腹圧が強くかかってしまい、切迫早産の可能性もあります。
ですので、お腹の大きくなる具合によって姿勢キープは様子を見ながら行う程度にします。
妊娠後期の腹筋の鍛え方は、寝た状態で足裏を床に付けるようにします。
膝は90度くらいに曲がった状態になるはずですので、両膝を合わせて揃えた状態から左右に交互に倒します。
この時に両肩は床面から離さないようにしましょう。
呼吸を整えながらゆっくり行いましょう。
呼吸を整えて脚をゆっくり倒していって、元の状態に戻し、一旦止めて呼吸を整えます。
これが終わったら反対側に脚をゆっくり倒して、ゆっくり戻します。
左右1回ずつを行ったところで1セットですが、膝を片側に倒す時に床に届くまできっちり倒す必要はありません。
ちょっときついかなと感じるくらいまでに抑えておきましょう。
妊娠中はどのくらい腹筋を鍛えると良い?
妊娠中に腹筋をどのくらいまで鍛えるのが良いのかという点ですが、妊娠中の運動不足を解消するためという目的がメインになります。
ですので、腹筋を鍛える場合も息切れしないようなレベルで行いましょう。
妊娠中は腹筋を鍛えるメリットを序盤でご紹介しましたが、やり過ぎが良くないのは妊娠中に限った事ではありませんよ。
腹筋をやってはいけない場合も
妊娠中は『赤ちゃんと母体の安全が最優先』なので、どんなに腹筋が習慣化していても、やってはいけない場合があります。
『お腹の張りがある場合』は絶対に腹筋をやってはいけません。
このページでは、出来る限り『瞬間的ないきむような腹圧がかからない腹筋運動』をご紹介してきていますが、お腹に張りを感じている時は行わないようにしてくださいね。
そして、もし何かの異常を感じた場合は妊婦健診以外でも産院に行って、ちゃんと正確な指示をもらって下さいね。
タンパク質を意識した食事で効率よく筋力アップ
そのためにはもちろん正しいトレーニング方法で腹筋を鍛えていく必要はありますが、それだけで終わってしまってはいけません。
筋肉と言うのは、トレーニングによりいちど繊維が壊れて、超回復をしたときに大きくなって復活します。
その他にも炭水化物などの栄養素もう必要なのですが、基本的にタンパク質以外の必要な栄養は大体普段の食事で取れます。
しかしタンパク質に関しては、多くの方が必要な分だけ摂取していないと言われています。
だからといって、極端にタンパク質にフォーカスしすぎるのも良くないですが、普段の食事の中で鶏肉の料理を増やしたり、タンパク質を多めに摂取できる食生活を意識してみると、筋トレの効果がより現れやすいです。
まとめ
妊娠中に腹筋を鍛えるのは『ダイエット目的』ではありません。
ですが、筋肉が付く事(人間の体の中でもっとも大きい筋肉が腹筋です。)で基礎代謝を上げる事が出来て、妊娠中のむくみの予防にもつながります。
結果的に、体重管理のダイエットが楽になるというメリットが付いてくるんですね。
それと、もう1つ腹筋を鍛える事で大きなメリットがあります。
それは『出産に向けての体力が確保できる』というメリットです。
妊娠中は激しい運動が出来ないのは当然で、約10ヶ月間『運動不足状態』が続く事になります。
そうなると、不思議と心も弱くなるのが人間です。
こんな状態で、ちゃんと元気な赤ちゃんを産めるのかと不安になったり、産後の子育てや将来を考えると不安を感じて心細くなったりもします。
そういった妊娠中の不安や迷いはお腹の赤ちゃんに決して良いものではありません。
決して無理をしてはいけませんが、産後のダイエットを楽にするためにも、妊娠中の腹筋をやってみてはいかがでしょうか。