【授乳・ミルクグッズの準備】何をいつ買う?哺乳びんは出産前に必要?

赤ちゃんの成長

「母乳で育てたい。でも、出なかったらどうしよう」

授乳グッズを調べはじめると、この気持ちが、買い物リストより先に顔を出します。哺乳びんを買ったら、母乳をあきらめたようで気が引ける。かといって、何もないのも不安。

この記事では、授乳とミルクの準備を、「何を」「いつ」の2つに絞って整理します。気持ちの揺れは、そのままで大丈夫です。

「完全母乳で育てたい」と思いながらも、自分の体からちゃんと母乳が出るのか不安で、こっそり哺乳びんのコーナーを見つめては「まだ早いかな」とカゴに戻したあの日のこと。

母乳とミルクの間で揺れるその心細さは、赤ちゃんを大切に思うからこそのもの。決して責める必要なんてありません。

哺乳瓶を見て考える女性

【先に結論】

  • 哺乳びんは、産後に様子を見てから買っても間に合うと書く資料があります。産院の哺乳びんは入院中に使えます
  • ミルクを準備することは、母乳をあきらめることではありません。国のガイドは「母乳だけにこだわらず」必要に応じてミルクを使う支援を、としています
  • 哺乳びんの本数は、資料では2〜3本が目安(ミルクを足す回数が少なければ1本でも)
  • 粉ミルクは調乳が必要、液体ミルクは常温のまま使えます。どちらも、開封後・調乳後の飲み残しは与えません

※2026年10月時点の情報です。

この記事でわかること

  • 授乳グッズを「いつ」買うか(出産前か、産後か)
  • 哺乳びんの選び方・本数・消毒
  • 粉ミルクと液体ミルクの違い
  • 授乳用ブラジャーと母乳パッドの考え方

【この記事について】国の資料・自治体・メーカーの公開資料にもとづく一般的な情報です。母乳の出方や、赤ちゃんの飲み方には個人差があります。気になることは産院や助産師さんに相談してください。全体の時期の流れは、冬の出産準備の記事に、赤ちゃん用品の全体は10月出産準備品リストにまとめています。

目次

いつ買う?出産前か、産後か

国立病院機構(hosp.go.jp)の東広島の病院サイトにある入院案内PDFには、赤ちゃん用品の多くを妊娠28〜32週ごろまでに揃える、と書かれています。ただし哺乳びんだけは別で、「乳汁分泌の状態に合わせて、産後の退院前に準備」とあります。

HugKum(編集部、2022年11月)の哺乳びんの記事にも、同じ考え方があります。

  • 産院の哺乳びんは、入院中に使える
  • 出産前に準備する方法もあるが、産後に使い方を見てから買うこともできる
  • 入院中にネットで注文したり、家族に頼んだりする方法がある

つまり、哺乳びんは「出産前に買わなければいけないもの」ではないのです。母乳の出方や、赤ちゃんの飲み方を見てから決めても、間に合います。

とはいえ、産後は思うように動けません。「どうしても不安」という方は、1本だけ先に用意しておくのも一つの手です(これは私の考えです)。入院中の持ち物は、冬の入院バッグの記事で、肌着や服は新生児の肌着・服の記事で書いています。

母乳か、ミルクか:国のガイドの考え方

木製のテーブルの上で、哺乳びんや粉ミルクなどの授乳グッズを丁寧に並べて整理している日本人女性の手元

授乳・離乳の支援ガイド(「授乳・離乳の支援ガイド」改定に関する研究会、2019年3月)には、こう書かれています。

  • 母乳で育てたい母親が無理なく取り組めるよう、支援することが重要
  • 一方で、「母乳だけにこだわらず」、必要に応じて育児用ミルクを使うなど、適切に支援することが求められる
  • 母親の病気や薬、母乳の分泌の状況などで、育児用ミルクを選ぶ場合は、その決定を尊重し、心理面に配慮する

育児用ミルクは、「乳児用調製粉乳」(粉ミルク)と「乳児用調製液状乳」(液体ミルク)を指します。

ガイドには、授乳量は、回数よりも1日に飲む量を中心に考えること、1日の目安量に届かなくても、元気で体重が増えていれば心配はない、とも書かれています。

気持ちが揺れるのは、当たり前です。ミルクの準備は「保険」のようなもの。備えておくことと、母乳をあきらめることは、別の話です。

「ミルクを足す=母乳育児の挫折」そんなふうに思い込んで、出ないおっぱいを無理に吸わせては赤ちゃんと一緒に泣いていた時期がありました。でも、ミルクという「安心の保険」があるおかげで、私の心がふっと軽くなり、結果的に穏やかな気持ちで母乳に向き合えるようになったんです。どちらを選んでも、あなたを責める人なんていませんよ。

哺乳びんの選び方と本数

HugKumの記事にもとづいて、整理します。

乳首

月齢の表示がある製品が多く、新生児は、SSサイズか新生児用を選びます。母乳育児を目指す場合は、吸う力を育てるタイプがすすめられています。

容量

新生児は、1回80〜120ml程度を飲むとされています。母乳のあとに足す場合は、20ml程度から調整します。一般的なボトルは160ml前後です。当サイトの10月出産準備品リストでは、160ml程度としています。

素材

ガラス製とプラスチック製があります。プラスチック製のうち、PPSU製は、軽くて割れにくいとされています。

本数

授乳は約3時間おきで、夜間も含めて、洗浄や消毒が追いつかないことがあります。そのため、2〜3本あると安心とされています。1日2回程度ミルクを足す場合は、1本でも大丈夫、とも書かれています。

ここも、「必ずこの本数」という決まりはありません。母乳を中心にするか、ミルクを中心にするかで変わります。母乳中心なら少なめに、ミルク中心なら多めに、と考えると、迷いにくくなります(これは私の整理です)。

粉ミルクと液体ミルク

液体ミルクのしくみ

授乳・離乳の支援ガイドによると、乳児用液体ミルクは、2018年8月の省令改正で、製造・販売ができるようになりました。液状の人工乳を密封容器に入れたもので、常温で保存でき、調乳の手間がかかりません。

東京都福祉局の資料(令和6年8月改訂)には、次のように書かれています。

  • 滅菌済みで、お湯や湯冷ましがなくても、常温のまま与えられる
  • 直射日光を避け、おおむね25℃以下で保存する(特に夏場は注意)
  • 栄養組成は、調乳後の粉ミルクと同じ
  • 開封後はすぐに飲ませ、飲み残しは捨てる
  • 授乳前に、期限、容器の破損、色・味・匂いを確認する

保存期間は、製品で違います。江戸川区の資料(2024年4月)には、未開封で6か月〜1年半とありますが、必ず製品の表示を確認してください。

粉ミルクの扱い

農林水産省のページによると、粉ミルクは、作りおきをせず、飲ませる分だけ作ります。容器の粉ミルクは、清潔なスプーンですくい、スプーンを容器に入れっぱなしにしません。殺菌されていない井戸水や湧き水は使いません。

江戸川区の資料では、調乳後はすぐに授乳し、飲み残しは与えない、と書かれています。70℃が細菌を死滅させるために必須、という記載もあります。

どちらを選ぶ?

どちらが「正しい」ということはありません。栄養の組成は同じです。違いは、調乳の手間と保存です。夜中の授乳で、調乳の手間を減らしたい、外出に便利だから、という理由で、液体ミルクを選ぶ人もいるでしょう(これは私の想像です)。

夜中の授乳でフラフラになりながらお湯を沸かしていたとき、常温ですぐにあげられる液体ミルクにどれだけ救われたか分かりません。温める手間がないというだけで、夜中の暗い部屋で張り詰めていた緊張の糸がスッとほどけ、「これがあって本当によかった」と心から思いました。

洗浄と消毒:資料の違い

哺乳びんの消毒の時間は、資料によって違います。

資料 煮沸の目安 そのほかの方法
農林水産省 ガラスの哺乳びん:7分程度。乳首とキャップ:3分程度。樹脂製は説明書に従う 専用の消毒薬、電子レンジ
HugKum(2022年11月) 10分程度 電子レンジ(専用容器)、薬液(漬け置き)

農林水産省のページには、使ったらすぐ洗うこと、乳首は専用のブラシで洗うこと、消毒後はよく乾燥させて、清潔なフタ付きの容器で保管することが書かれています。HugKumは、洗剤で洗っても細菌が増えることがあるため、使用後は消毒が必要、としています。

時間が違う理由は、資料には書かれていません。哺乳びんの素材や、製品の説明書によって違うので、買った製品の取扱説明書を優先してください。

なお、授乳・離乳の支援ガイドの災害時の記述には、哺乳びんや乳首を煮沸・薬液消毒できない場合は、衛生的な水でよく洗って使う、とあります。あくまで災害時の対応で、ふだんは消毒を行います。

授乳用ブラジャーと母乳パッド

授乳用ブラジャー

枚数は、資料で幅があります。東広島の資料は2〜3枚(普段より約2サイズ大きく、フロントホック)、ヒロクリニックは2〜3枚、明治は4枚です。

母乳パッド

東広島の資料は「1袋」で、母乳量が増えてから使うもの、としています。明治のリストは1枚です。当サイトの10月出産準備品リストでは、120枚入りなどの大容量を目安にしています。

数字がそろっていない理由は、母乳の量に個人差が大きく、産後にならないと分からないからだと思われます(これは私の推測です)。最初は少なめに用意して、様子を見て足すのが、無駄のない買い方です。

授乳クッションや授乳ケープは、今回確認した資料に、数字や選び方の十分な記載がありませんでした。ここでは扱いません。

詳しい記事への案内

授乳・ミルクグッズについてよくある質問

Q. 哺乳びんは、出産前に買っておくべきですか?

必須ではない、と書く資料があります。東広島の資料は、哺乳びんは母乳の出方に合わせて、産後の退院前に準備するとしています。HugKumの記事にも、産院の哺乳びんが入院中に使えること、産後に使い方を見てから買えることが書かれています。

Q. 哺乳びんは何本、何mlのものが必要ですか?

HugKumの記事では、授乳が約3時間おきで洗浄・消毒が追いつかないことがあるため、2〜3本が安心とされています。1日2回程度ミルクを足す場合は、1本でも大丈夫です。新生児は1回80〜120ml程度を飲み、一般的なボトルは160ml前後です。

Q. 粉ミルクと液体ミルクは、何が違いますか?

東京都福祉局の資料では、栄養組成は調乳後の粉ミルクと同じで、液体ミルクは滅菌済みで常温のまま与えられます。粉ミルクは調乳が必要です。どちらも、飲み残しは与えないよう書かれています。

Q. 哺乳びんの消毒は、どのくらいの時間が必要ですか?

農林水産省のページでは、煮沸はガラスの哺乳びんが7分程度、乳首とキャップが3分程度です。HugKumの記事は、煮沸に10分程度かかるとしています。樹脂製は説明書に従うため、製品の取扱説明書を優先してください。

Q. 母乳パッドは、出産前にどのくらい用意すればいいですか?

資料によって、1袋(東広島)、1枚(明治)、大容量(当サイトの10月出産準備品リスト)と幅があります。東広島の資料は、母乳量が増えてから使うとしています。母乳の量には個人差があるため、最初は少なめに用意し、様子を見て足す方法もあります。

まとめ

授乳グッズは、「産後に様子を見て、足りないものを足す」が基本です。

  • 哺乳びんは、産後に様子を見てから買っても間に合う(産院のものは入院中に使える)
  • 国のガイドは、母乳を支えながら「母乳だけにこだわらず」ミルクも使う支援を求めている
  • 哺乳びんは2〜3本が目安(ミルクを足す回数が少なければ1本でも)
  • 粉ミルクは作りおきせず、液体ミルクは開封後すぐ。飲み残しは与えない
  • 消毒の時間は、製品の説明書を優先

母乳でも、ミルクでも、混合でも、赤ちゃんは大きくなっていきます。準備のいちばんの目的は、授乳の夜を、少しでも落ち着いて迎えられること。そのための備えが、そろっていれば、十分です。

母乳でも、ミルクでも、混合でも。どんな形であれ、あなたが愛情を込めて赤ちゃんの口元に乳首を運んでいるその時間は、世界で一番あたたかなひとときです。

どうか完璧を目指さず、あなたの心が一番楽になる方法で、赤ちゃんとの授乳の時間をゆっくり楽しんでくださいね。

本記事の参考文献・出典(最終確認:2026年10月16日)

著者プロフィール
妊娠・出産・育児に関する情報を発信し続けて10年。サイトの著者ゆうです。長年の運営で培った専門知識と、ママとしての共感を大切に、分かりやすく丁寧な情報提供を心がけています。一人で悩まず、このサイトをあなたの心強い味方として活用してください。
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